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  1. 山形県議会 1993-03-01
    03月11日-05号


    取得元: 山形県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    平成 5年  3月 定例会(第266号)平成五年三月十一日(木曜日)午前十時四分 開議議事日程第五号  平成五年三月十一日(木曜日)午前十時 開議第一   議第四十九号 平成五年度山形県一般会計予算第二   議第五十号 平成五年度山形県市町村振興資金特別会計予算第三   議第五十一号 平成五年度山形県母子福祉資金特別会計予算第四   議第五十二号 平成五年度山形県寡婦福祉資金特別会計予算第五   議第五十三号 平成五年度山形県中小企業近代化資金特別会計予算第六   議第五十四号 平成五年度山形県土地取得事業特別会計予算第七   議第五十五号 平成五年度山形県農業改良資金特別会計予算第八   議第五十六号 平成五年度山形県沿岸漁業改善資金特別会計予算第九   議第五十七号 平成五年度山形県林業改善資金特別会計予算第十   議第五十八号 平成五年度山形県流域下水道事業特別会計予算第十一  議第五十九号 平成五年度山形県港湾整備事業特別会計予算第十二  議第六十号 平成五年度山形県物品調達費特別会計予算第十三  議第六十一号 平成五年度山形県病院事業会計予算第十四  議第六十二号 平成五年度山形県電気事業会計予算第十五  議第六十三号 平成五年度山形県工業用水道事業会計予算第十六  議第六十四号 平成五年度山形県ガス事業会計予算第十七  議第六十五号 平成五年度山形県公営企業資産運用事業会計予算第十八  議第六十六号 平成五年度山形県水道用水供給事業会計予算第十九  議第六十七号 平成五年度山形県駐車場事業会計予算第二十  議第六十八号 山形県職員定数条例の一部を改正する条例の制定について第二十一 議第六十九号 山形県職員等の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例の制定について第二十二 議第七十号 山形県農村地域工業等導入地区県税課税免除条例の制定について第二十三 議第七十一号 山形県獣医師修学資金貸与条例の設定について第二十四 議第七十二号 山形県危険な動物の飼養及び保管に関する条例の一部を改正する条例の制定について第二十五 議第七十三号 化製場等に関する法律施行条例の一部を改正する条例の制定について第二十六 議第七十四号 山形県立病院条例等の一部を改正する条例の設定について第二十七 議第七十五号 山形県立病院及び山形県立診療所使用料手数料条例の一部を改正する条例の制定について第二十八 議第七十六号 山形県国民宿舎条例の一部を改正する条例の制定について第二十九 議第七十七号 山形県立職業訓練校の位置、名称等に関する条例の一部を改正する条例の制定について第三十  議第七十八号 山形県繭鑑定手数料条例の一部を改正する条例の制定について第三十一 議第七十九号 山形県繭検定手数料条例の一部を改正する条例の制定について第三十二 議第八十号 山形県家畜人工授精講習会等受講手数料条例の一部を改正する条例の制定について第三十三 議第八十一号 国営土地改良事業負担金徴収条例の一部を改正する条例の制定について第三十四 議第八十二号 山形県都市公園条例の一部を改正する条例の制定について第三十五 議第八十三号 山形県港湾施設管理条例の一部を改正する条例の制定について第三十六 議第八十四号 山形県が管理する港湾の臨港地区内の分区における構築物の規制に関する条例の一部を改正する条例の制定について第三十七 議第八十五号 山形県建築基準条例の一部を改正する条例の制定について第三十八 議第八十六号 山形県立学校施設使用料条例の一部を改正する条例の制定について第三十九 議第八十七号 山形県立学校証明事務手数料条例の一部を改正する条例の制定について第四十  議第八十八号 山形県立高等学校授業料等徴収条例の一部を改正する条例の制定について第四十一 議第八十九号 山形県立高等学校等及び小学校、中学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例の制定について第四十二 議第九十号 山形県立うきたむ風土記の丘考古資料館条例の設定について第四十三 議第九十一号 山形県警察本部の組織に関する条例の一部を改正する条例の制定について第四十四 議第九十二号 山形県警察職員定数条例の一部を改正する条例の制定について第四十五 議第九十三号 山形県工業用水道料金徴収条例の一部を改正する条例の制定について第四十六 議第九十四号 当せん金付証票の発表について第四十七 議第九十五号 県道路線の認定について第四十八 議第九十六号 最上川水系に係る一級河川の指定及び指定の変更について第四十九 議第九十九号 平成五年度山形県一般会計補正予算(第一号)第五十  県政一般に関する質問本日の会議に付した事件 議事日程第五号に同じ出席議員(四十八名)    一番 前田利一君    二番 井上俊一君    三番 渡部秀勝君    五番 渋谷耕治君    六番 阿部信矢君    七番 土屋健吾君    八番 竹田重栄君    九番 菅井源三郎君    十番 神谷 弘君   十一番 奥山静枝君   十二番 伊藤 孜君   十三番 湖山寛一君   十四番 土田広志君   十五番 山本昭雄君   十六番 松浦安雄君   十七番 高木 尚君   十八番 野村研三君   十九番 新関善久君   二十番 松野久八君  二十一番 山科朝雄君  二十二番 伊藤定夫君  二十三番 五十嵐利夫君  二十四番 三沢英一君  二十五番 飯野栄儒君  二十六番 関口 修君  二十七番 大内孝一君  二十八番 斎藤辰夫君  二十九番 三井啓光君   三十番 石垣 潔君  三十一番 木村莞爾君  三十二番 高橋源吉君  三十三番 斎藤道雄君  三十四番 松沢洋一君  三十五番 木村久助君  三十六番 土田 啓君  三十七番 小竹輝弥君  三十八番 橋本喜久夫君  三十九番 和田広弥君   四十番 守谷吉男君  四十一番 児玉 勉君  四十二番 後藤 源君  四十三番 荒井 進君  四十四番 佐藤正光君  四十五番 新目視悦君  四十六番 竹谷義一君  四十七番 伊藤耕治郎君  四十八番 後藤昭市郎君  四十九番 沼沢善栄君欠員(一名)説明のため出席した者  知事           高橋和雄君  出納長          安藤忠夫君  企業管理者        柳澤 正君  総務部長         小手川大助君  企画調整部長       花屋和夫君  生活福祉部長       山口寿男君  環境保健部長       丸子正司君  商工労働開発部長     酒井 雅君  農林水産部長       工藤正幸君  土木部長         宮下 武君  国体局長         土屋 功君  財政課長         横山五良右衛門君  教育委員会委員長     三宅高子君  教育長          木場清耕君  公安委員会委員長     水戸部知巳君  警察本部長        小林武仁君  代表監査委員       清野章次君  人事委員会委員長     古澤茂堂君  人事委員会事務局長    井上 勤君  地方労働委員会事務局次長 澁谷邦男君      午前十時四分 開議 ○議長(土田啓君) これより本日の会議を開きます。 △日程第一議第四十九号議案から日程第四十九議第九十九号議案まで並びに日程第五十県政一般に関する質問 ○議長(土田啓君) 直ちに日程に入ります。 日程第一議第四十九号平成五年度山形県一般会計予算から、日程第四十九議第九十九号平成五年度山形県一般会計補正予算第一号までの四十九案件を一括議題に供し、これら案件に対する質疑と日程第五十県政一般に関する質問をあわせ行います。 質疑及び質問の通告がありますので、通告順により発言を許可いたします。八番竹田重栄君。 ◆8番(竹田重栄君) 今定例議会において一般質問の機会を与えていただきましたことに、先輩議員並びに同僚議員に対し深く感謝と御礼を申し上げます。 質問に入ります前に、お許しをいただきまして発言をさせていただきます。 まず、本年二月二日をもって、健康上の理由から任期半ばにして御勇退なされた板垣前知事の御功績はまことに偉大なものであり、その総仕上げとしてべにばな国体は県政史上に長くしるされ、百二十六万県民が総参加し、二十一世紀の主役である若人の力の結集によって見事大成功をおさめられたのであります。県民は、ひとしく板垣前知事の県政手腕に対し心からの大賛辞を贈るものであります。願わくは一日も早い御回復をお祈り申し上げます。 そして、去る二月十四日執行されました県知事選挙に御当選なされました高橋新知事に対しまして、改めて祝意を表する次第であります。 また、無念なことでありますが、私ども同期でありました布川章先生、竹田邦蔵先生の突然の御逝去はまことに痛恨のきわみでありますが、ここに心から御冥福をお祈り申し上げ、両先生が県政に寄せられた情熱を私どもが引き継ぎ、県勢進展のため努力いたしてまいりますことをお誓い申し上げ、質問に入ります。 さて、昨年の山形県は、景気低迷の風を感じるいとまもなく、大イベントに県民挙げて心を一つにして取り組み大成功をおさめた完全国体は、日本全国に山形県民の人情と情熱、そして多くの感動を与え、やれば山形県もできるという勇気と自信を身につけられたことは、何物にもかえがたい大きな財産として県民一人一人に形成されたものと確信されるのであります。その県民の心意気をさらに増幅させ、自信と希望を持って新年度への事業に取り組み、主役となった二十一世紀の若人たちに大きな夢とロマンを与える施策を積極的に進めていくことが昨年の完全国体の成功の意義があると思われるのであります。 そこで、新知事に就任された高橋知事の、知事としての御決意のほどをまずお伺いをいたしたいと思います。 さて、昨日の代表質問でも御答弁がございましたけれども、重複する部分がございますが、私からも質問をさせていただきます。 高橋知事県政がスタートし、平成五年度の予算案が提示されました。一般会計予算では五千九百十四億円余であり、前年度対比で県政史上において三十七年ぶりのマイナス予算となったことはまことに残念であります。知事は、新知事に就任以来時間的余裕のない中での査定であり、鋭意編成に努力したところであり、それなりの限界があるわけでございますが、説明要旨に述べた基本的姿勢に立ち、これまでの事業を引き継ぎながら可能な限り盛り込んだとしておられます。そして、さらに今後検討を要する施策についてはなるべく早い時期に御提案を申し上げると言われております。今、我が国内外の経済状況は、世界的な傾向としながらも不況の低迷は予想以上の長期化にあり、本県も論外ではありません。県民所得の低下はもちろん、中小企業や下請、地場産業の経営不振は生活の不安を募らせる現況にあります。無理に受注を求めても、低単価に甘んじ所得を得る状態ではありません。したがって、不況の波は日ごとに増し、その対策を県民は強く望んでいる現状にあります。この事態をとらえるならば、新年度予算においても積極的な取り組みを何よりも最優先して県民の生活安定を図ることが肝要と思うのであります。 その対応策として、金融対策事業と中小企業及び地場産業育成事業等にかかわる大幅な増額と抜本的な補助対策とあわせて、土木費における投資的経費中特に公共事業費等は積極的な増額と早期発注によって景気対策の身近な実を上げることが急務であると思われます。知事はどのように対応なされるのか、御決意のほどをお伺いいたします。 さらに、財政の見通しについてお伺いいたします。 平成五年度一般会計予算における歳入の面で、県税収の低下、地方交付税の減額、さらには国庫支出金等の減額が目立ち、その補いとして県債に依存しなければならない状況にありますが、国政との政治的配慮の中で国庫支出金や交付税の増額をし、県債等の有効かつ効率的な運用によって実質予算の伸び率に期待をしたいのでありますが、その見通し等について総務部長の御見解をお伺いいたします。 さて、知事は今定例会知事説明要旨の中で、知事としての公約でもあります「市町村の発展が県勢の発展であるとの考えのもとに、地域の人々が郷土を愛し誇りを持って安心して生活できるよう、市町村を軸とした県土の均衡ある発展を進める」ことを強調しておられます。至極当然なことでありますが、そこで具体的にお伺いいたします。 地域の人々が誇りを持って安心して生活できる二十一世紀を目指していくに欠くことのできないのは、県内に均衡のとれた高度先端医療施設の整備充実を図ることをまず挙げなければなりません。本年六月には庄内に県立日本海病院がオープンし、庄内地域における高度先端医療の中核病院として活動を始めることになります。さらには、山形市、上山市を含めたニュータウン構想の中には日赤病院設置等の計画も進められ、そして現在、県立中央病院移転新築構想なども出されておりますが、置賜地区に対しては、現在のところ何も計画や対応がなされていない状況にあります。置賜地域では、それぞれの自治体で公立病院が設置され、それなりに地域住民に親しまれ、地域医療に貢献しているのでありますが、高度医療となれば山形大学病院県立中央病院に転送されるのが日常生ずることであり、置賜地域の住民からは、以前から高度医療施設として県立病院の設置を強く望んでおったところであります。 最近の医療の進歩は秒速の速さで発展し、高度な医療機器を備えた先端医療施設を図るには、県立病院かそれに類した機関の設置でなければ不可能と思われます。そこで、さきに申し上げましたように、知事が強調されている市町村地域を軸とした県土の均衡ある発展を進める上からも、そしてそれぞれの県民、地域の人々がひとしく健康で安心して生活できる生活大県の実現を図るためにもぜひ置賜地区に高度先端医療施設の設置を強く望むものでありますが、知事の御所見を承りたいと存じます。 また、県の重要事業として国に対し要望しております労災病院について、現在までの経過と今後の見通し等について、所管であります商工労働開発部長よりお伺いをいたします。 次に、農政問題についてお伺いいたします。 我が国の農業も世界市場の荒波にもまれ厳しい対応を迫られておりますが、しかし、日本の農業は、単に経済性だけの問題ではなく、日本古来の歴史と伝統があり、それに自然との調和の中で生活の知恵の中から発展してきたものであり、地球的な規模からしても、国土や自然環境の保全の面からも他国に絶対譲れないものがあります。政治生命をかけても守らなければならない重要な基幹産業であることを強く認識しているところであります。 そこでまずお伺いいたしますが、本県も農業は基幹産業として位置づけておりますが、国が昨年六月発表した新しい食料・農業・農村政策の方向について、今後それらの施策が順次具体化されてくるものと思いますが、これに呼応して、本県の農業と農村の活性化を図るため山形県農業振興ビジョンの策定作業を進めてこられたところでありますが、一昨日公表されましたビジョンの特徴と施策展開の方向性についてお伺いをいたします。 生産性の高い農業を実現する基礎的条件としての圃場整備については、全国では五〇%の整備率に対し本県では六五%の整備率となっており、土地改良面では先進県と言われていますが、一方、生活環境の向上を目指した集落排水事業などについても鋭意実施計画を進めておられると思いますが、これらに関連して、土地改良事業の推進の観点から農林水産部長に幾つかお尋ねをいたします。 まず、土地改良施設の維持管理に対する公的負担についてであります。 農村地域は、農家のみならず非農家も居住する混住社会に大きく移行しております。農業用ダム農業用排水路などの土地改良施設は、農家のみならず地域社会にとっても有用な施設であり、公益的機能が増大しており、さらには農村地域の活性化にも大きく貢献しているのであります。このような背景から、土地改良法の一部改正の法律が施行され、国営及び都道府県営土地改良事業における市町村の事業負担が明確化されるものと認識いたしております。事業費の負担については一定の前進が得られたものでありますが、土地改良による日常の維持管理面については公的負担はまだ不十分であると考えられます。 そこで、国、県及び市町村による土地改良施設の維持管理に対して公的負担の増額を図っていく必要があると考えますが、現在の負担状況と今後の方針についてお伺いをいたします。 次に、農業農村整備事業にかかわる負担率についてお伺いいたします。 平成元年十二月、臨時行革審は、国と地方の関係に関する答申の中で公共事業にかかわる補助率の見直しを提言し、その本答申を受けて、国は、平成五年度から補助率の体系化と整序化を実施することとしております。この見直しによれば、総じて国の補助率は国営事業を除けば現行に比して引き下げられるものと思うのでありますが、例えば、広域農道整備事業については六五%から五〇%となるようであります。したがって、農業農村整備事業にかかわる国、県の補助率は、農家や農村住民にとって極めて影響が大きいのであります。県として、今後このような補助率の見直しに対してどのように対処されるのか、お伺いいたします。加えて、それが地元負担に転嫁されないよう配慮されることを望みたいのであります。 次に、農業農村整備事業の推進体制についてであります。 本年度予算における農村整備事業及び広域農道整備事業、そして農村集落排水事業等では伸び率が高くなっておりますが、圃場整備事業は前年度並みであります。年々増加する土地改良施設については、施設の適正な管理と維持管理に関する事業制度の拡充など管理面の強化が強く要望されている現状であります。しかしながら、現在、県の事業推進体制については依然として生産基盤に主力を置いた組織体制となっており、必ずしも効率的な推進体制とはなっていないのではないかという意見も聞かれるのでありますが、今後は、農村整備や施設の維持管理に配慮した推進体制の強化を図っていく必要があると考えられますが、県としてどのような推進体制を図っていく所存であるか、農林水産部長にお伺いをいたします。 次に、土木部長にお尋ねをいたします。市町道の県道昇格についてお伺いをいたします。 本道路については、昭和四十三年広域営農団地整備事業、俗に大規模農道が制度化され、米沢市、高畠町、南陽市を結ぶ約三十キロ区間を広域農道として計画されたのであり、その年に農道整備事業として山形県内第一号の路線に決定されたのであります。これは、県営事業として十一カ年の歳月と二十八億円余の費用を投じ、その内訳は、国が六五%、県が二五%、市・町が十%の補助事業として施行され、昭和五十四年十一月に通称ブドウマツタケラインとして開通したのであります。 本事業のねらいは、広域営農団地育成のためその基盤づくりを農道整備の面から進めていこうとするもので、農業で利用する道路網整備や中山間地農道地帯の基盤となる基幹農道を整備し、それによって農生産物の流通の合理化を図ることによって地域の活性化と農家経済の安定を高めることにあったのであります。しかし、現在では、農産物の流通面だけの道路ではなく、商工業及び観光道路としての利活用が年々増加の一途をたどっております。普通車から大型トラック観光バス等の交通量も大変なものであり、地域住民は交通事故の不安さえ感じている現状にあります。ちなみに、開通当初の交通量は十二時間当たりで二百四十八台であったのが、平成二年度では十二時間当たり千六百四十九台、約七倍近くになり、今後ますます増加の傾向にあります。そのために、道路の破損箇所も随所に発生し、道路の以外ののり面保護補修工事等も施行し、何とか道路の安全確保と最低の管理をしている現状にあります。したがって、今後は、交通量の増加に伴い道路としての利活用目的も大幅に変化してまいります。現状では市町道として安全な維持管理が保証できかねる状況にありますが、この件については、数年前から置賜総合開発協議会といたしましても県に強く要望をしてまいってきておるところでありますが、土木部長の前進ある御答弁を承りたいと存じます。 次に教育長にお尋ねをいたします。県立風土記丘考古資料館管理運営等についてお伺いをいたします。 置賜における古代文化の貴重な遺産が高畠地域を初め各地に数多く出土し、考古学的にも高い評価をされております。そこで、県として数年前から風土記の丘考古博物館の設置を計画されてきたところでありました。その場所を高畠町安久津地区に指定され、地権者に対して県からの説明を受け、町の協力を得ながら快く協力をしていただいたのでありました。ところが、説明をされてから数年は何ら着工されず、地域の住民からは果たしてその事業が実現されるのか不安を抱いたのは確かでありました。しかし、昨年平成四年にようやく着工され、平成五年度には完成し開館できることになったことには、地元住民の喜びと感激はもちろん、置賜地区の文化団体も大きな期待を寄せているのであります。しかし残念なことは、当初の県の説明では考古博物館としての設置でありましたが、現在建設された施設は考古資料館となっておりますが、名称の変更の理由と施設の目的、価値観について、その施設の理解を深める上でもぜひお伺いをしておきたいと思います。 また、県立うきたむ風土記の丘考古資料館・仮称として本年度から開館するといたしておりますが、県立として完全に管理運営をしていくのか、そして職員体制をどうされるのか、考古学的・専門的知識と資格を有した職員を配置しなければならないと思うのでありますがどのような管理体制になるのか、お伺いいたします。 さらには、資料館の周辺整備も今後大きな課題であると思います。町としてもそれに積極的に取り組み、計画面積では約二十五ヘクタールに及ぶと見られ、総費用も八億円余はかかり、平成十年を目途に完成しなければと鋭意努力をしているようでありますが、県としての対応はどのようになされるか、お伺いをいたします。 この事業は、置賜における特色ある風土や、歴史的・文化的環境を素材とする広域観光の大いな可能性を秘めたものであり、期待もまた大きいものでありますから、県としての対応も歴史と文化、そして観光との調和のとれた、ほかに誇れる施設として整備されるよう特段の御配慮を賜りますよう要望を申し上げる次第であります。 終わりになりましたが、九日付で御勇退なされました安孫子副知事に対しまして、長年県勢発展のため多大な御貢献を賜りましたことに深く敬意と感謝を申し上げ、今後さらに御健勝を御祈念申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(土田啓君) 高橋知事。 ◎知事(高橋和雄君) 昨年行われましたべにばな国体が大成功をおさめまして、県民のエネルギー、とりわけ二十一世紀を担う青少年のエネルギーが爆発して大成功をおさめたわけでございます。そのほか多くの県民からの絶大なる御協力がありましたことも見逃すことができません。 まず、青少年の自信と見せられたエネルギーにつきましては、我々といたしましても再認識をいたしたところでございます。ぜひこの力をこれからの山形県の発展のために発揮させてもらう必要があるとこう思っております。そのためには、日ごろいろいろの事業を企てながら、あるいは行政的にもそれを支援していくというふうな姿勢が重要かとこう思っております。一つには、そのものずばりのスポーツの振興ということが考えられますが、引き続き山形県におけるところのスポーツを振興させるための体協に対する補助であるとか、あるいは指導・育成を強化してまいりたいとこう思っております。またそのほか、新年度におきましてはスポーツフェスティバルというふうなことを企ててありまして、この点につきましても若者のエネルギーが結集されるものとこう期待いたしております。 そのほか、一般の県政の場におきましても若者の力を発揮してもらいたいとこう思っております。いろいろのイベントを組みながら事業の展開を図る必要があろうかとこう思っております。一つには、来年度開かれます日本文化デザイン会議というふうなことに例をとってみますと、若者の関心は非常に大きいものとこう思っております。 また、若者のみならず業界あるいは県挙げて日本文化デザイン会議の成功を期さなくちゃいかぬとこう思っております。そのほかいろいろの事業につきまして、ぜひ未来を担う青少年のこの力を発揮させていく必要があるというふうなことからの行政面での配慮を怠りなく進めていきたいと、こう思っているところでございます。 次に、平成五年度の予算における景気対策はどうかというふうなお尋ねでございますが、まず何よりも、投資的経費につきましては、最大限の予算の確保を図るべき努力をいたしたところでございます。 初めに、社会資本の充実というふうなことに関連しましては、公共事業の全面受け入れというふうなことを引き続き踏襲いたしました。また、県の単独事業費につきましてもでき得る限りの予算化を行ったことでございます。この点につきましても、景気浮揚上不可欠のものとこう認識しております。また、住宅対策につきましても、住宅事業は非常にすそ野の広い事業でございますので、景気に及ぼす影響は極めて大であるという認識をいたしております。この点につきましても鋭意配慮いたしまして、県内における住宅建設の促進を図る予算を計上しておるところでございます。次にまた、不況対策といたしまして重要な一面として金融対策がございますが、とりわけ金融対策につきましては、景気対策としての新たな設備資金、それに経営安定資金といたしまして制度資金がございますが、これらの充実を図ってまいりたいとこう思っているところでございます。予算的にも計上してありますので、よろしく御審議賜りたいとこう思っております。 第三番目には、置賜地域における高度医療機関の設置の御質問でございますが、地域医療の重要性につきましては、県といたしましても、まずは地域医療と第一次的に支える開業医であるとかそういった医療機関、それに第二次的に地域・市町村単位あるいはさらに生活圏単位におけるところの医療機関の整備と、それにまた第三次といたしまして高度な緊急対応というふうなことを目途といたしました医療施設が必要であろうというように考えております。 御指摘のように、置賜地域にこの第三次医療機関の設置をする必要があるのではないかというお尋ねでございますが、まさにそのとおり我々も認識しているところでございます。これから特に循環器系統の疾患につきましては、緊急を要するものとそれから高度技術というふうなことも伴いますので、こういった医療施設につきましては、地域の医療並びに関係者との話し合いを煮詰めながらぜひ対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。 以上、お答え申し上げます。 ○議長(土田啓君) 小手川総務部長。 ◎総務部長(小手川大助君) 平成五年度の今後の財政運営におきますところの実質予算の伸び率の点でございますが、議員御指摘のとおり、平成五年度の予算につきましては、最近の経済の動向から、県税及び地方交付税が前年度の当初予算を下回らざるを得ないという非常に厳しい状況の中で、また非常にその限られた日程の中で、県内景気の回復等当面する課題に配慮いたしまして、重要施策をできる限り盛り込んだものとなっております。名目的には、議員御指摘のとおり対前年で二・七%の減、これは金額的には約百六十億円の減となっておりますが、その大部分はいわゆる積立金につきましての交付税の減でございまして、この部分が約百九十億円あるという事情から、名目的にはマイナスにならざるを得なかったということでございます。 それからまた、議員御指摘のとおり、今回県債が増加しているという面がございますけれども、この点につきましても、国全体の景況の関係から、従来補助金で行ってきた事業につきましてこれを交付税つきの県債でやっていくというふうに振りかえになっております関係でこの県債が増加しているということでございます。 一方、昨日知事の方からもお話のありましたとおり、今回の予算編成につきましては、日程的な制約から関係機関や団体との詰め等の関係で計上を見合わせたような案件もございます。また、今後の景気の動向に関しまして、いろいろ国の対応等も見ていく必要があると思いますので、それらの点も十分見きわめつつ、今後必要な補正予算の措置につきまして早急に検討してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(土田啓君) 酒井商工労働開発部長。 ◎商工労働開発部長(酒井雅君) 労災病院の誘致活動の経過と今後の見通しについてでございますが、労災病院の誘致活動につきましては、昭和五十六年度から県の重要事業ということで継続的にその設置について労働省、関係団体に対して要望・陳情を行ってきたところでございます。特に、平成三年十二月には県庁内に検討委員会を設置いたしまして、新しい労災病院の構想につきまして鋭意検討を行い、昨年六月には県としての基本構想、さらに七月にはその労災病院の経営計画というものを策定いたしまして、労働省に提出をいたして検討をお願いしているところでございます。労働省におきましては、労災病院の全体的な課題につきまして調査・研究するための調査費というものを平成五年度予算に計上いたしておりまして、二カ年間にわたって労災病院の今後のあり方等について検討を行うとうかがっておるところでございます。 県といたしましては、これらの国の調査・検討の状況を適時的確に把握しながら、今後とも労災病院の本県への設置につきまして引き続き要望してまいりたいと考えております。 ○議長(土田啓君) 工藤農林水産部長。 ◎農林水産部長(工藤正幸君) まず、農業振興ビジョンについてでございますが、このビジョンは、本県の実情に即し、農業が魅力ある産業となるための条件と条件整備の方向を定め、農業者、農業団体、行政がそれぞれの役割を果たしていくという農政展開の方向を明確にするため策定したものでございます。県といたしましては、平成五年度をビジョン具体化元年と位置づけまして、予算にも各種支援事業を盛り込んだところであります。意欲ある農業者が創意と工夫を発揮できるよう、具体的な事業を積極的に実施してまいりたいと考えております。また、ビジョンの実現のためには、行政や農業団体はもとより農業者の理解と実践が何よりも重要でありますので、個々の農家レベルまでビジョンの趣旨・内容の理解の徹底を図るとともに、農林水産部内に具体化の進行管理、点検及び引き続き研究・検討すべき課題への対応のため推進組織を設置してまいりたいと考えております。 次に、土地改良施設の管理に対する公的負担の状況と取り組み方針等についてでございますが、国営、県営事業等によりまして造成されました施設の維持管理は、そのほとんどを土地改良区が行っておるところでございますが、農家と非農家が混住化している農村地域におきましては、集落共同意識の低下などから施設の適正な維持管理に支障を来すことも懸念されておるところでございます。このようなことから、平成五年度は、管理体制の強化のため国庫補助事業では対前年十二八%の約五億九千万円を、また、県単独事業におきましては対前年比一〇七%の約四千五百万円の予算を計上いたしております。一方、市町村による維持管理に対する負担額は、この負担額のうち一定の部分が交付税措置されることもありまして、平成三年度では約六千万円となっております。 今後とも、土地改良施設の適正な管理を行うため、公的負担等の充実等に努めてまいりたいと存じます。 次に、農業農村整備事業に係る国の補助率見直しによる負担率の対応についてでございますが、農業農村整備事業に係る農家負担につきましては、国は今回の補助率の見直しが直接的に農家負担に影響を及ぼすものではないとしておりまして、国の改定補助率が現行補助率を上回っている事業につきましては、農家負担の軽減に充てることを原則といたしまして、また、下回った事業につきましては、県営事業については県が、市町村営事業については市町村がこの差をそれぞれ負担することとなっております。このうち、県営事業分につきましては平成五年度予算に計上しておるところでございます。 なお、見直しの結果、県あるいは市町村の負担が増加した場合におきましては、当面公共事業等臨時特例債を適用することとしており、実質的な負担の増加はないものと認識してございます。 次に、本県の農業農村整備事業の推進についてでございますが、平成三年度に策定いたしました第三次山形県土地改良長期計画に基づきまして、農業生産基盤の整備と農村生活環境基盤の整備を軸といたしまして計画的に実施することとしておりますが、従来どおり農業生産基盤の整備に努めていく一方、都市部に比べまして立ちおくれている農業集落排水や農道の整備及び美しい農村景観づくりなど農村生活環境基盤の整備が緊急的な課題となっております。このような状況から、平成四年度に新たに農地建設課に農村整備室を、支庁及び各地方事務所には農業農村整備事業の調整部門を設置いたしました。また、土地改良施設の管理部門の体制強化のため、平成三年度から農地計画課に監理主幹と管理技術専門員を設置しております。 今後とも、農村整備事業の円滑な推進と土地改良施設の適切な管理に努めてまいる所存であります。 ○議長(土田啓君) 宮下土木部長。 ◎土木部長(宮下武君) 県道の昇格についてお答えいたします。 県道として路線を認定し認可を受けるには、道路法に定める一定の要件とこれに基づく認定基準を満たす必要がございます。御指摘の路線をこれに照らしてみますと、沿線には集落が少なく道路網に適した人口密度が低いことなどから、今後、検討対象として俎上にのせるにいたしましても、基準が現行のまま改定されることなく推移する限りにおいては、これを満たすのは極めて難しい状況にございます。 ○議長(土田啓君) 木場教育長。 ◎教育長(木場清耕君) 県立風土記丘考古資料館についてのお尋ねにお答えを申し上げます。 まず初めに、考古資料館の建設に当たりましては、島津高畠町長さんを初めといたしまして多くの方々からいろいろと御協力を賜りました。おかげさまで来月にはこれが開館できるまでに至りました。お礼を申し上げたいと存じます。 初めに、考古資料館とされた背景・理由等についてでございますが、風土記の丘は、県民の心のふるさととなるような代表的史跡や文化財集中地区を中心といたしまして、これらの保存・活用を図ることを目的として建設をいたすものでございまして、山形県の風土記の丘は全国では十五番目、東北におきましては初めてのものでございます。その中心となります施設につきましては、委員仰せのように当初の段階、時期的には昭和六十一年ごろでございましたが、この当初段階では考古博物館を建設をするという考え方でございました。しかしながら、この中心施設は、周辺の遺跡などの面的な広がりの中で中心となる施設でございますし、その運用に当たりましては多面的・弾力的な対応ができるものであること、次に、県立博物館が既にございますが、この県立博物館の歴史・考古部門との関係におきまして機能分担など検討をすべき事項があったこと、それから、他県の風土記の丘の中心施設の状況などを総合的に勘案をいたしまして、収集・保管・展示を行うとともに、周辺の史跡・文化財の一体的な保存・活用を図ることができる考古資料館として建設をし準備を進めてまいったところでございます。 次に、管理体制でございますが、この考古資料館の管理運営につきましては、企画展の開催、普及啓発事業の実施など、考古資料館の管理運営の基本にかかわることにつきましては、設置者でございます県が運営協議会等の意見をいただきながら進めてまいりますが、考古資料館の日常的な管理運営につきましては、この施設の設置目的に照らしまして、周辺との一体的な管理運営が可能となりますよう地元の高畠町へ委託をさせていただくことといたしまして、それに伴います維持管理、運営経費等は県が負担をいたすことといたしております。 また、職員体制についてでございますが、すべて高畠町の職員となりますが、そのうち専門的な知識・経験を有する学芸員等につきましては県がその人件費を負担をいたすことといたしてございます。 周辺整備に対します県の対応でございますが、考古資料館の周辺整備につきましては、現在、高畠町が国の制度、事業を導入して実施をされておるところでございます。考古資料館を核といたします広域的・有機的な遺跡などの活用・保存を図るための風土記の丘周辺整備のあり方につきましては、高畠町の整備事業の推移や周辺市町がそれぞれ進めておられます縄文時代を中心とする遺跡等の整備状況を勘案いたした上で、県及び地域全体といたしまして今後検討をすべき課題ではないかというふうに受けとめているところでございます。 ○議長(土田啓君) 八番竹田重栄君。 ◆8番(竹田重栄君) 御答弁ありがとうございました。 知事の御答弁については、非常に置賜に明かりが見えたという御答弁をいただきまして大変ありがとうございました。 なお、土木部長の答弁につきましては、所管でございますので、所管におきまして十分論議をさせていただきたいと思います。 以上で終わります。 ○議長(土田啓君) 二十六番関口修君。
    ◆26番(関口修君) 質問に先立ちまして、板垣清一郎前知事が県勢発展に尽くされた功績をたたえ、一日も早い健康の回復をお祈りしたいと思います。 前知事が知事に就任されたのが昭和四十八年の十月であります。このとき、就任早々第一次オイルショックに見まわれ、二期目のときは第二次のオイルショックとなり、財政が窮迫する中で第四十七回国民体育大会の招致を決定し、各般にわたる条件整備を進めながら昨年のべにばな国体に県民の総力を結集させたのであり、国体は予想以上の成績と多くの感動・ドラマを生み、全国に報道されました。とりわけ、御臨席いただいた天皇・皇后両陛下の発煙筒事件のときの微動だにもしない御立派なお振る舞いは、ブラウン管を通じ全国民が感嘆し、山形国体を一層引き立てられました。さらに、東北芸術工科大学の開校、山形新幹線の開業、山形自動車道の全国高速交通体系への組み入れ、一県二空港の先鞭をつけた庄内空港の開港、生涯学習センターのオープン、間近に開院を控えた日本海病院の整備など多くの実績を残されたのであります。 前知事は、辞任に際し、県政は永遠であり悠久に続くと言われました。県政の課題はある日突然にできるものではなく、原因があり経緯・経過がありそして今日がある、これまでの流れの中でお互いに汗をかき、苦労の結集として成果を得ることができるのだと思います。前知事が就任したときオイルショックが起こったように、高橋新知事の就任と前後してバブル経済の崩壊による財政難、そして国体終了後の大きな行財政課題が待ち受けております。 いよいよ二十一世紀まであと残すところ八年、県政課題の第一は、何といっても県民生活の向上でありましょう。我が山形県は、全国の一%経済圏と言われながら、県民一人当たりの所得は平成二年で二百三十四万円であり、全国平均二百七十八万円に対して四十四万円も少ないのであります。これまでも所得水準向上のためいろいろな施策を展開してまいりましたが、まず、知事の低所得県脱却に対する基本戦略についてお尋ねをいたします。 知事は、立候補するに当たって、「ひらかれた県政をすすめる」ことを公約の筆頭に挙げられました。我が国の最高の権力者はだれだろう、こんなことを考えてみました。違法上、法律上は言うまでもなく当然のこととして三権の長であり、その筆頭は内閣総理大臣と思います。ところが、独断と偏見のそしりを免れない私見を申し上げるならば、内閣総理大臣は国会議員によって選ばれます。それも実態は、与党のうちの幾つかの派閥の連合によって選ばれております。したがって、政権基盤が、時の派閥の連合いかんによっては非常に弱い立場に立つことも間々見受けられます。内閣総理大臣の最大の権限とは一体何だろう。私は、何と言っても閣僚の任免権だと思うのです。しかし、現実には与党内の派閥の順送りの名簿から脱するということは極めて難しいのが実態のようであります。 知事は一体どうか。普通地方公共団体の長である知事は、当該地方公共団体を統括し、これを代表し予算を調整しこれを執行する。しかも職員を指揮・監督するという権限を持ち、憲法と同時に施行された地方自治法の理念のもとに都道府県は完全な自治体となり、県民によって選ばれた知事は国の機関から独立し、中央政府に対し住民の利益を擁護するという積極的な役割を果たす大きな権力の地位にあると思います。だから、一たん選挙で当選すれば、ごく少ない例外を除いてほとんど二期三期四期と続くのが普通であります。しかし、この権力におぼれることなく初心を忘れずの決意が「ひらかれた県政をすすめる」という公約になったものと思いますが、知事の考える開かれた県政を進めるとはどのようなものなのか、この際御披瀝をいただきたいと思います。 「市町村を軸として県政を」、これが公約の第二であります。県民生活に密着した場は市町村であり、県は市町村の発展を助けるのが使命であるとする考えから、市町村などの創造力、自主性を尊重し、市町村の特性を生かした施策展開に最大限お手伝いする。わかりやすい身近な県政をと訴えてこられ、知事は支持されました。「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」と日本国憲法第九十二条に明記され、地方自治法第一条の二の二項に「普通地方公共団体は、都道府県及び市町村とする。」と明文化され、都道府県と市町村は全く同列に法文化されております。市町村こそ基礎的な地方公共団体であるとされております。知事は、このことに着目し、このような公約を掲げられたものと思います。 二月十八日と十九日、山形県町村議長会と町村会総会において、県勢発展のために市町村を軸にした取り組みが大切であり、特に市町村との連携を強化し事業や計画を調整する体制づくりを進めたいとあいさつしたと報じられていました。知事公約の第二であるわかりやすい身近な県政、県民生活の場は市町村であり、市町村を軸にした県政をつくるという知事の存念についてもお尋ねをいたします。 公約の中で知事は、女性の登用を積極的に進めることを主張されました。天の半分を支える女性の活力をいかに引き出すことができるかということは県勢発展に欠かせないテーマでもあります。古くから、「家にあっては父に従い、嫁しては夫に従い、夫死して後は子に従う」、すなわち、生まれて結婚するまでは絶対家長の権限を持つ父に従い、嫁して夫に従い、夫亡き後は子に従うという三従の婦徳が女性のかがみとされた時代から、現憲法によってすべての差別が撤廃され、当然男女の差はなくなったとはいえ、数百年続いた男女にかかわる慣習が一挙になくなるはずはありません。その後、男女雇用機会均等法の制定や、一九七五年の国際婦人年世界会議を受けての世界行動計画、国内行動計画、山形県行動計画策定、実践へと続きました。 国においては、最近、婦人問題企画推進本部を設け、二〇〇〇年に向けての新国内行動計画の第一次改定を行い、政策・方針決定の場に女性参画の促進や女性の地位向上のための施策を推進されております。知事の考える県政施策の中の「女性の一層の社会進出を」という公約についてもお尋ねをいたします。 次は、環日本海時代と東方水上シルクロードについてであります。このことについては前も申し上げましたが、新知事が誕生したので再度申し上げます。 昨年八月、発行部数百十五万部と言われる北海道新聞の第一面に次のような記事が載っていました。 「開港五百年を迎えた山形県の重要港湾酒田港に、八月四日、中国の貨物船瞿江(チューチアン)号二千三百トンが横づけされた。中国・黒龍江省の内陸河川港チャムスからロシア極東部のアムール川を通って日本海に入ったアムール航路の第一船である。この航路は、新しい東方の水上シルクロード、環日本海諸国の繁栄と酒田港の未来を切り開く歴史的な航路だ。大沼酒田市長は、入港歓迎式で、新しい国際航路誕生にこうあいさつした。同船がチャムス港を出港したのは七月十二日、酒田港への飼料用トウモロコシは、これまで大連経由で四十五日もかかって運ばれていたのが、このルートは二千八百キロ余の新航路を半分以下の二十日余りで結んだことになる。同省の航運局陳副局長は、黒龍江省から直接外海に出るのは一八六〇年以来のことであり、極東文化交流もこの航路で活発化するはずだと、外海に開放された喜びと新航路にかける大きな期待をあらわした。黒龍江は二千キロ余にわたって中国とロシアの国境を形成する。一九五〇年代の中・ソ協調時代に確立された国境貿易もその後の対立で交流が途絶えたままになっていた。しかし、八〇年代後半に両国関係が改善されるに従って航路の重要性が見直され、今年一月に国際航路の開設で合意したものである。この報道にいち早く関心を示したのが、ことし開港五百年を迎えた酒田市の関係者、中国から飼料用トウモロコシを輸入している食肉加工の平田牧場新田嘉一社長らが中心になって、飼料の原料を直接輸入する計画を立てた。数回にわたる交渉を経て、陳副局長が来日し、酒田港の受け入れ態勢を確認し契約が結ばれた。その際、陳副局長は、北海道の函館・小樽・室蘭の港湾施設も見て回ったが、何をどこに運ぶのか、北海道経由の具体的な契約に発展しなかった。北海道と黒龍江省は姉妹関係にあるし、大豆や製紙原料など貨物もあるのだが、日本海側の自治体に比べ実務レベルの人に熱意が感じられない。海と川、専用貨物船の建造にも取り組んでいる黒龍江省陳副局長にとって大きな不満だ。」このように報じているのであります。 この記事を見まして、県内外経済に与える影響を考え、庄内の県議団有志七名は、十一月上旬、ロシア、ハバロフスク経由で中国・黒龍江省省都ハルピンに飛びました。そして、東方水上シルクロードの拡大について、黒龍江省との合弁合作の事業の推進について、山形県と黒龍江省との友好県省の締結について、それぞれその可能性について話し合ってまいりました。特に、友好県省の締結については、伊藤前議長が前知事の親書を携えて参ったのであります。伊藤前議長を団長に、守谷議員を顧問に、松浦・阿部議員を第一班として、合弁合作事業の推進についてと友好県省について突っ込んだ話し合いがなされ、前知事に報告されました。その後、県当局と黒龍江省との間に具体的交渉が持たれたはずであります。 高橋知事は、黒寵江省との友好県省についてどのように評価されていらっしゃるかお尋ねするとともに、その後の進捗状況についてお尋ねをいたします。 また同日、私と和田、石垣両県議の三名は、東方水上シルクロードの拡大について、中国中央政府並びに異龍江省の主要な幹部と会談してまいりました。ここで中国の皆さんはおおよそ次のように言われたのであります。「今回の東方水上シルクロードは、環日本海貿易拡大のため、中国・黒龍江省の松花江、黒龍江、間宮海峡、日本海を経て酒田港に至る二千八百四十キロに及ぶ世界的にも画期的な水上航路である。我が省は、海外に輸出するとき大部分を遼寧省の大連港を利用してきたが、この航路開通によって距離的にも時間的にも大幅に短縮され、陸路が短いために荷傷みも少なく、将来経済メリットが多く見込まれる航路であり、長い目で見れば大成功であった。しかし、多少問題がないわけではない。アムール川を通過する途中、橋梁の高さによる船の高さの制限の問題があり、ロシアのマゴで川用の船から海用の船に積みかえをした。このとき、中国側労働者を乗せた船を表に運航した方がはるかに安いコストでできるのだが、ロシア側の事情で不可能となり、やむを得ず貨物船の船員だけで積みかえせざるを得なかった。今、このルートに使う船を二隻建造しているが、このことを考慮している。ロシアの通関手続に非常に時間がかかり、さらにロシアとの境界の部分は軍事上の理由からか昼しか通行できず、このことは出航まで予測できなかった。アムール川のロシア領を通行するとき、運航料として二千トン一往復に対して八千ドル徴収された。沿海州のニコラエフスクで給油・給水する計画だったが一回しか給油できず、ほかは日本で給油したが、日本は石油が高くコストがかさむという問題がある。八月、九月は雨季であり、この点でも積みかえに時間がかかった。また、アムール川河口の水深の条件が悪く、満潮を待ったりしたこともある。しかし、これらはいずれも中国とロシアの問題であり、初めての航路であることも考えれば多少の問題は必ず解決していけると思う。ここで日本側にお願いしたい。酒田港の飼料収容能力は二千トンしかない。ロシアの通関状況によっては二隻一緒に入港することも考えられるので、そのような事態にも対応できるようにしてほしい。同時に、作業能率の高いクレーンを考える必要があるのではないか。黒龍江省は穀物だけではなく木材、大理石、山菜なども日本に輸出をしている。このルート発展のためにもこれらの受け入れも検討してほしい。また、トウモロコシだけではなくコウリャン、大豆などの受け入れも検討してほしい。肥料や農機具など日本からの多量の品物も輸入している。せめて三分の一でも帰り荷があれば運賃コストは大幅に安くなる。日本に質のよい中古船があれば買いたい。建造十五年以内くらいで二、三千トン級の船であり、川と海双方を航行するので水深四・三メートル以内のものを十数隻考えている。黒龍江は冬季凍結のため運航できないので大連にある船の活用も考えていただきたい。」このような話の内容でありました。 これに対して、「我が酒田港は、近年、貨物取扱量が横ばい傾向にあり、港湾整備予算の確保が厳しい状況にあったが、今回の東方水上シルクロードの開設は、火力発電所三十五万キロワットの運転再開と相まって取り扱い実績増加に結びつき、関係当局から高く評価されており、酒田港の整備に対する対応が高まるものと見込んでいる。酒田港には五百トンサイロが八基あり、四千トンの収容能力があるが、工場の操業上半分しかあけられず、実質二千トンの収容能力しかない。この対応を各方面に働きかけていきたい。また新たに上屋を建設し、薫蒸、保税にも対応できるものを計画中である。ロシアの通関問題は、私どもがハバロフスク空港での経験からも理解できるが、日本の企業にとって、計画どおり入荷しないと工場の操業上非常に困ることなので、何としても計画入荷に心がけてほしい。トウモロコシ以外の産物については、関係する方々にお話したい。また新たに多目的岸壁を三バース建設を準備中であり、数年後にはどんな船でも受け入れができるようになる。」このように、私どもは、知り得た情報をもとに誠意を尽くして対応してきたつもりであります。 今、現地では、東方水上シルクロード貿易促進協議会を結成し、独立した事務所と常勤職員を配置してこの環日本海地域との経済交流、対外貿易を進め、二十一世紀の時代に対応しようとしているのであります。 御承知のように、中国の黒龍江省は面積四十五万平方キロメートル、我が国の総面積が三十七万平方キロメートルでありますから、我が全国土よりも一・二倍の広さを持ち、人口は三千二、三百万人、黒龍江、松花江、ウスリー江に囲まれた三江平原が中国の三大農業開発重点地区として世界銀行の融資を受けて、二〇〇〇年までに五百万ヘクタールの農地を造成し、千百万トンの農産物生産を見込んでいると言われています。五百万ヘクタールとは、我が国の全耕地面積が四百三十六万ヘクタールでありますから、我が国の全耕地面積よりも広いということになります。まさに壮大なプロジェクトと言うべきでありましょう。この東方水上シルクロードを強く太いものとするには、知事の強力なバックアップが必要なのであります。 知事も、環日本海対応については深い造詣を持っておられますが、この東方水上シルクロードに対する所見を承りたいと思います。 先日、第十四回山形県地方港湾審議会が開かれました。ここ数年酒田港の取扱量が三百万トン程度で低迷していたのが、昨年は急速に伸び四百万トン近くまで伸びました。酒田共同火力発電の二号機が昨年の六月運転再開したことが大きな原因であります。同時に、中国・黒龍江省との水上シルクロードの一層の発展、ロシア向けの輸出入の活発化が見込まれます。ちなみに、隣の秋田港は酒田港の約二倍強、新潟港は約六倍の実績を持っているのであり、酒田港の一層の充実を図っていかなければなりません。先日開かれました第十四回山形県地方港湾審議会において、平成十五年目標で答申された酒田港港湾計画をどのように具体化していくのかについても土木部長から見解をお示しいただきたいと思います。 平成三年五月、暴力団対策法が制定されました。この法律は、指定暴力団として指定された構成員の暴力的要求行為を禁止し、暴力団事務所の使用禁止、暴力団員による不当な行為の防止や被害の救済に当たる暴力追放運動推進センターを設けることなどがその内容になっており、昨年の三月一日から施行されました。 よく海外に在留された方々や海外旅行をされた方々は、異口同音に日本ほど治安のよい国はないと、このように言われます。私どもも海外に行ってそのことを実感として体験するところであります。治安を乱す危険な要素としては、極右・極左の見境のない行動、例えば、去る二月十九日最高裁判決が確定した昭和四十六年七月の連合赤軍派による殺人事件などがそれであります。また、右翼による暴騒音の伴う示威行動などは我が山形県でも記憶に新しいところであります。国際化が進行する中での来日外国人による犯罪も年々増加の一途をたどつていると言われます。このように、治安行政の課題としてはさまざまなものがありますが、最重点課題は何といっても暴力団対策でありましょう。世界に冠たる治安国といっても、治安というのは一たん崩れてしまうととめどもなく悪化の一途をたどると言われます。 暴力団は、組織を維持するために莫大な金が要ると言われております。暴力団を壊滅に追い込むためには、資金源を断ったり組織構成員の供給を断ったり、加入した者を脱退させたりあるいはピストルなどの凶器を手に入れさせない、こんなことが必要であります。暴力団は、我が国では昭和三十八年ころは十八、九万人だったのが、最近は取り締まりが強化されることによって九万人前後と言われていますけれども、反面これは、弱小暴力団が落ちて、逆に強大組織による寡占化傾向が強まったのだと言われております。暴力団の寡占化とは、弱小暴力団を傘下に入れ上納金を徴収する。その上納金を獲得するために麻薬、覚醒剤、賭博、のみ行為、売春、民事事件介入、交通事故の示談、地上げなど、諸悪の根源は暴力団にあると言っても過言ではありません。取り締まりを強化しているとはいえ、依然として巧妙な手口で民事介入や市民生活や商工活動に介入するケースが後を絶たないとも言われています。 警察本部長は、この暴力団壊滅に非常な熱意を持っているとお聞きをしますけれども、本県内の極右・極左の実態、来日外国人の犯罪の防止対策、暴力追放運動推進センターの運用と今後の壊滅作戦についてお尋ねをいたします。 労働時間の短縮が叫ばれています。勤労・労働とはとうといものであり美徳と信じ、労働に大きな価値を置いてきたのが私ども日本人でありました。したがって、一生懸命に働き、働かせるという作用が起こってまいります。 そのために、労働時間問題は市場原理や市場意思に任せておくと歯どめがかからなくなる方向性を持つとも言われています。そのために一定の行政介入、行政指導が必要だと言われるゆえんでありましょう。私たちが今日まで考えてきた労働意識と勤勉な労働が今日の経済大国日本をつくった最大の原動力と言っても過言ではないと思います。ところが、日本人だけが働きバチで世界に製品を売りまくって莫大な貿易黒字を抱えていると非難される時代になりました。したがって、国際化時代への対応として、この労働時間短縮も大きなテーマの一つとなっております。 政府は、時短促進法を制定し労働時間短縮実施計画承認制度を作成、年間労働時間千八百時間、週四十時間制の達成を目標にしています。本県の労働時間短縮実施計画承認制度がどのように活用されているか、労働時間の職種別実態と今後の取り組みについてお伺いをいたします。 次に、婦人、高齢者、障害者を取り巻く労働問題についてお尋ねをいたします。今や我が国は、先進国中一人当たり国民総生産高第一位という経済大国となり、これからはゆとりを求める時代となりました。このように、経済的に豊かになった我が国の環境に即した女性の労働環境、高齢者のあるべき労働環境、心身に障害を持つ人たちの労働環境の整備という観点からお尋ねをするものであります。 最近、女性の職場進出には著しいものがあり、それとともに、女性が働きやすく、能力を発揮できる環境づくりが課題となってまいりました。男女雇用機会均等法、育児休業法の制定もその一環でありましょう。特に、主婦層を中心に増加しているパートタイム労働に対する総合的な対策が求められています。このような観点から、働く女性や雇用する事業主に対する施策をどのように講じられているのか、お尋ねをいたします。 高齢化社会のモデル県とならなければならないのが本県の立場だろうと思います。我が国では平均寿命が大幅に伸び、人生八十年時代が到来し、本県はその先端を行っています。このような本格的な高齢化社会の到来を迎え、活力ある経済社会を継続し発展させていく上で、高齢者の雇用・就業の場の確立は重要なテーマとなってまいりました。長年にわたり蓄積した技能・経験を生かすことのできる高齢者労働対策あるいはシルバー人材センターの拡充などどのような対策を講じていられるのか、お尋ねいたします。 続いて、心身に障害を持つ人たちの労働参加についてであります。 生活大国を目指す我が国は、効率優先の社会から、公正に配慮された、障害者が地域で安心して暮らすことのできる社会を目指さなければなりません。福祉という名のもとに、手当さえ支給すれば事足りるという誤った考えを改め、能力に応じて労働の喜びを享受できる環境をつくっていかなければなりません。完全参加とは、障害があっても健常者並みに能力を求めるというのではなく、障害の程度に応じてその能力を発揮できる社会環境をつくり、その能力を発揮することによって障害者もひとしく労働の喜びを実感できる社会をつくることでありましょう。これらの諸施策についても答弁を求め、私の質問を終わります。 ○議長(土田啓君) 高橋知事。 ◎知事(高橋和雄君) 初めに、県民所得の向上の基本戦略についてのお尋ねでございますが、この点につきましては、二つの面から考えられるのではないかとこう思います。 一つは、産業の振興あるいは立地等を図りまして、企業活動の活性化・活発化を図るというふうな面でございます。この点につきましては、これまで行政の中にありましても企業の立地あるいは地場産業の振興というふうな観点からいろいろ施策を進めてきたところでございます。これまでの成果といたしましても相当程度の進展を見ているものとこう思っておりますけれども、さらにまた一段とこの面からも活動を活発にしていく必要があるだろうとこう考えております。また、もう一つの面といたしましては、企業の生産性の向上あるいは付加価値の増大と、それに伴ってまた要求されるものは技術の革新というふうなものがあろうかとこう思います。こういったことにつきましては、地元に緊急的な施設をも設ける、あるいは近代的な企業としての要素は何だろうか、将来を見据えた上での企業の立地、事業内容の転向というふうなことが考えられようかとこう思います。 いずれにいたしましても、これらの点につきましては、技術革新あるいはその基礎となる人づくり、技術者、勤労者の養成というふうなことが非常に重要な内容となるだろうとこう思われます。これらのことが相まって、山形県内における企業活動が活性化されまして、その上で県民所得が向上されるものとこう認識しております。ぜひ今後とも、現在の状況からさらに一段と全国的なレベルあるいはさらにそれをしのぐというふうなことを目指して、県民所得の向上について頑張ってまいりたいとこう思っております。 次に、開かれた県政の具体的な推進方法はどうかというお尋ねでございますが、開かれた県政とこう申しますのは、私なりに、県の施策あるいは県の行政等につきまして県民からいろいろの意見が出されることが非常に重要かと思っております。いろいろな意見が出ることによって、それらの意見を集約し、県民の総意を結集した諸施策が展開できるものとこう思われます。また次に、県民といたしましても、県民が直接県政に参画しているという意識もまた高まるものと、それだけに県民一人一人が県政に力を発揮できるものとこういうふうに考えられます。百二十六万県民がこぞってこのような考えが出てくれば、山形県政は大きな勢いが結集されるものというふうに思われます。 これまでも、行政といたしましては、県の広報等におきまして県の施策を周知する、またいろいろの会合を用いて県民の意見を求めるというふうな機会がございましたが、さらに一段と開かれた県政といたしまして機会を多く持ちたいとこう思っております。それらの機会につきましては、住民の意識調査であるとかあるいはモニター制度であるとかそのほかいろいろの方法があろうかと思われますが、とりあえず着手できるものを逐次実施してまいりたいとこう思っております。これまで、県議会の中におきましてもいろいろの意見が出されておりますので、これからも出されるだろうとこう思われますので、そういったことにつきましても十分耳を傾けて対応してまいりたいとこう思っております。 次に、市町村を軸とした県政というふうなことを私は申し上げてきておりますが、特に市町村は、県内四十四市町村におきまして、すべての市町村において総合開発計画ないしはそれに類する計画を持っておられます。これらの計画と県の発展は同一基調でなければならないというのが私の考えでございます。その結果、市町村との連携がとりもなおさず県の非常に調和のとれた発展をもたらすものとこう思っております。このことから、県内における地方事務所、支庁あるいは本庁における市町村との連携の場をつくってまいりたいとこう思っております。 具体的な組織の強化あるいは職員の配置等につきましては目下検討中でございますが、いずれにいたしましても、市町村と県との問で相互の意見交換ができるような場をぜひつくってまいりたいとこう思っております。また、この場においては、市町村の議会あるいは県の議会とも十分に関連がとれるような方法も考えてまいりたいとこう思っております。 次に、女性の登用についての御質問でございますが、女性のすぐれた特質あるいは素質というふうなことに考慮いたしまして、ぜひその特質を社会の発展のために活躍してもらいたいということは当然のことでございます。 最近、女性も社会進出の環境が整いつつあるとこう思われます。従来家事やら育児やらに使われたエネルギーが次第に社会に進出するという機会にも恵まれてきておりますし、また、教育面におきましても非常に向学心に燃えてその機会が確保されつつあります。こういった女性の力を十分に社会に活用していただきまして、また、社会発展のためにも尽くしていただきたいとこう思います。この点から、まずは隗より始めよというふうなことで、県の行政の中でも、あるいは審議会、委員会あるいは懇談会等におきましてもさらに一段と女性の登用を心がけてまいりたいとこう思っているところでございます。これを機会に、また広く県内にそういった機運を醸成してまいりたいとこう思うところでございます。 次に、環日本海交流の点でございますが、特に黒龍江省との友好関係についてでございますが、これまで黒龍江省、環日本海交流の点につきましては、県といたしましても相当重視してこれまで何度か交流を図ってきているところでございます。そして、さらにまた友好関係を盟約関係として締結する話をも進めてきておるわけでございますが、黒龍江省では目下中央政府と交渉中というふうなことで、成案を練りつつあるというふうに聞いております。黒龍江省との関係をさらに一段と進めてまいりまして、友好関係が親密になり、また正式の交流ができますようにも努力してまいりたいとこう思っているところでございます。 またもう一方、東方水上シルクロードについてのお尋ねがございましたけれども、民間における先進的な既に経験があるわけでございます。ただいま議員からも詳細に御紹介がございましたが、非常に貴重な経験だとこう思って拝聴いたしました。こういったことを糸口にいたしまして、行政といたしましても、酒田港の開発をにらみ、また環日本海交流、人的交流、経済交流の発展をも考慮してぜひ行政側からも支援してまいりたいとこう思っております。 一例と出されました二千トンのサイロが不足しているとか、あるいはクレーン等港湾設備についてこれからまた充実していく必要があるだろうとこう思われるものもございますので、これらの点につきましても、関係者との意見を交わしながら、ぜひその整備に努力してまいりたいとこう思っているところでございます。また、関係の部長の方からも御説明あると思いますので、よろしくお願い申し上げます。 以上でございます。 ○議長(土田啓君) 山口生活福祉部長。 ◎生活福祉部長(山口寿男君) 女性、高年齢者及び障害者の労働参加促進のための福祉施策についてでございますが、女性の仕事と育児との両立を支援します環境づくりとしまして、保育サービスの充実を図ることは重要な課題であるというように存じます。このため、乳児保育や延長保育の推進、保護者のパートタイム就労などにより保育が困難となる場合の一時的保育事業の実施あるいは育児休業明けに伴う年度途中における保育所への円滑な受け入れの確保など、多様化しております保育需要への対応について市町村を指導するとともに、県単独事業によります助成策を講じまして、保育サービスの充実に努めているところでございます。 高齢者の就労の促進につきましては、今後、明るく活力ある長寿社会を実現していくため、長年培ってこられました高齢者の知識や技能等を生かしまして地域社会に貢献していただくことが求められているところでございます。このため、労働行政における取り組みとあわせまして、福祉の分野におきましても、生きがい活動としての就労など多様な形態によります就労を促進するために、市町村ごとに高齢者事業団の育成を進めておりまして、現在十一市町村で高齢者の生きがい就労事業が実施されているところでございます。今後、引き続き高齢者事業団の組織化を進めるなど、高齢者の生きがい就労の一層の促進を図ってまいりたいと考えているところでございます。 次に、障害者についての対策でございますが、議員御指摘のように、障害者がその障害の程度に応じた就労を通じまして社会に参加できる環境を整えていくということが、障害者の自立と社会参加を推進していく上におきまして重要な課題であるというように考えております。 障害者の就労対策につきましては、障害者の雇用の促進等の関連施策との連携を図りながら、福祉行政におきましても、一般就労が困難な障害者の方々が自立した生活を営むために必要な訓練を行いながら働く喜びを実感できます福祉的な就労の場を確保するため、授産施設の整備や小規模作業所等の支援に努めているところでございます。また、現在策定を進めております障害者に関する山形県第二次長期計画におきましても、重度障害者の雇用対策と福祉的就労の場の充実を図るなど、障害者が障害の種類や程度に応じましてその能力を発揮できる社会環境づくりにつきまして重点的に位置づけをしてまいる所存でございます。 ○議長(土田啓君) 酒井商工労働開発部長。 ◎商工労働開発部長(酒井雅君) まず、労働時間短縮の実態と今後の取り組みについてでございますが、本県における労働時間、平成四年の毎月勤労統計調査の速報値で見ますと、実労働時間が二千二十二時間、対前年比で四十七時間の減少となっておりまして、着実に減少傾向を示してございます。また産業別に見ますと、建設業が二千百七十四時間、運輸・通信業が二千百四十一時問、製造業が二千五十一時問ということで平均よりも長くなってございますが、一方、金融・保険業では千八百四十三時間、卸・小売業では千九百七時間、サービス業では千九百三十三時間といずれも二千時間を下回っているところでございます。 次に、労働時間短縮実施計画承認制度の活用についてでございますが、本県におきましては、時短実施計画の承認を受けている団体は一団体、土木工事業一団体でございます。その内容につきましては、月二回の週休二日制及び所定内労働時間の短縮等がその計画の内容になってございます。県といたしましては、国及び事業を所管する関係部局と連携をとりながら、各業界における実態に即した時短推進を図られるよう、今後とも普及啓発・指導に努めてまいりたいと考えております。 次に、女性、高齢者及び障害者の労働環境づくりについてでございますが、まず、女子の労働対策でございますが、女性が働きやすく、また、その能力を十分発揮できる環境づくりが必要であると掲げておりまして、県といたしまして、まず男女雇用機会均等法、育児休業法等の関連法律の普及啓発活動を行っているところでございます。さらに、事業主を対象にした女子の活用推進講座及びパートタイム労働者の雇用条件等改善のための講座の開催、さらに女性の実践的な管理監督能力の向上のためのキャリアアップ講座及び働く女性のためのセミナーの開催等を行っております。 次に、高年齢者の雇用の場の確保につきましては、高年齢者にふさわしい雇用環境の整備を目指すために、平成二年度から高年齢者地域雇用開発事業を展開しておりまして、高年齢者の就業意識あるいは企業サイドの職場改善のあり方等の研究を行っております。この研究を踏まえて、高年齢者の職場環境づくりに取り組んでおるところでございます。また、企業における六十歳定年制の制度を平成五年度末までに定着させる、こういう指導を行っておりますとともに、六十歳代前半層と言いますか六十五歳までの継続雇用の推進というものを企業に働きかけておるところでございます。また、シルバー人材センターにつきましては、現在十一団体あるわけでございますが、さらに平成五年度に二団体を追加いたしまして、就業の場の拡充を図りたいと考えております。 障害者の雇用につきましては、国際障害者年を契機といたしまして、障害者の自立意識が高まり、また、社会全体のノーマライゼーションの理念の浸透もごぎいまして、県内の障害者雇用は着実に前進を見ているところでございます。しかしながら、障害の重度化あるいは高年齢化の進行によりまして雇用上の課題もあるところでございますが、県といたしましては、山形障害者職業センターあるいは障害者更正授産施設等との連携を図りながら、障害者の種類あるいは特性に応じた職業の指導・紹介、それから就職後における職場への定着指導を実施をいたしまして、離職の防止に努めているところでございます。 県といたしましては、今後とも国等の関係機関と密接な連携を図りながら、女子、高年齢者、そして障害者にとって働きやすい労働環境の整備に努力してまいる所存でございます。 ○議長(土田啓君) 宮下土木部長。 ◎土木部長(宮下武君) 酒田港の整備の促進についてでございますが、二十一世紀に向けた港の開発、利用、保全の方針を明らかにするため、おおむね平成十五年を目標年次とする港湾計画を作成いたしまして、過日、山形県地方港湾審議会に諮問いたしましたところ、計画内容は適当である旨の答申をいただきました。あとは重要港湾として国の港湾審議会を待つばかりであります。 この計画の主な方針といたしましては、物流機能を強化することとしておりまして、その一環としてコンテナ化に対応した埠頭の整備、産業基盤の拡充、あわせて地域住民等に親しまれる魅力的な港湾空間を形成するため、本港地区の再開発の推進や水に親しむ親水緑地の整備、さらに海洋性レクリエーション需要の増大に伴い増加するプレジャーボートを適正保管するための小型船だまりの整備などを内容としております。今後、この港湾計画をもとに、酒田港における施設整備及び管理運営を行っていくこととしております。 具体的な施設整備としましては、引き続き臨港道路、緑地などの整備を行いますとともに、平成五年度から北港宮海四号岸壁、それからしゅんせつ土砂を処理するための外港の廃棄物埋立護岸、本港第二船だまりのプレジャーボートスポット事業、これらの事業に着手する予定です。また、運輸省の直轄事業におきましては、継続して防波堤の延伸が行われるほか、平成五年度より多目的大型岸壁に事業着手が図られるよう要望しているところであります。これらの整備等が順調に進みますと、平成十年前後には酒田港の物流施設は大きく拡充されるものと考えております。 さらに、港湾計画で示した酒田港へと脱皮・変貌していくためには、港湾利用の一層の拡大が重要であるとともに、本港地区における再開発事業に当たっては地元の積極的な取り組みが必要であるなど、今後も多くの関係者の理解や協力が不可欠であります。このため、今年度からプロスパーポート酒田調査事業を始めたところでありまして、県、酒田市、酒田港湾振興会が一緒になって港湾振興方策に取り組んでいるところであり、今後、積極的な広報活動、定期船、荷主誘致等のポートセールス活動に取り組んでいくこととしております。 ○議長(土田啓君) 小林警察本部長。 ◎警察本部長(小林武仁君) いわゆる組織暴力を中心とする治安課題についてのお尋ねでありますが、まず、県内の右翼の実態についてであります。 県内で活動している右翼団体といたしましては十数団体を確認しており、これらの団体は、主に時局問題等をとらえての街頭宣伝活動を行っております。最近、全国的には右翼はソ連、東欧における社会主義体制の崩壊、これに続く冷戦構造の終えん等の情勢の変化を受け、これまでの反共中心の活動から反体制の運動へと重点を移しており、さらに目的達成の手段をテロ等の直接行動に求め、しかも銃器を使用して要人の人命をねらうなど先鋭化の度合いを強めてきております。県警といたしましては、こうした右翼情勢を踏まえ、テロの未然防止を最重点とした要人の警護等に当たっておりますが、と同時に、違法な街頭宣伝活動につきましても、昨年の三月、本議会で可決していただきました拡声機による暴騒音の規制に関する条例を積極的に運用し、取り締まりに努めているところであります。 次に、極左暴力集団についてでありますが、極左暴力集団関係者は、全国で約二万九千人、県内で百人前後いるものと見られますが、昨年はPKO問題、天皇訪中問題などをとらえ、全国で四十六件のテロ・ゲリラ事件を起こしているところであります。これらのテロ・ゲリラ事件では、軍事要員が武器アジトを設定して爆発物等を製造しそこを出撃拠点としていることから、本県においても、武器アジトの摘発を最重点とした諸対策を推進しているところであります。 なお本年は、極左暴力集団が、四月に天皇・皇后両陛下の御臨席が予定されている沖縄植樹祭、六月ごろに予定されている皇太子殿下の結婚の儀、さらには七月に東京で開催される主要国首脳会議などに反対し過激な闘争に取り組む構えを見せていることから、本県警察といたしましても警戒を強化しているところであります。 次に、来日外国人犯罪の防止対策についてであります。 近年、国際交流の活発化に伴い、また、我が国と周辺諸国との経済格差を背景に、来日する外国人が急増しておりますが、この中で、滞在期限が切れても我が国に在留し稼働しているいわゆる不法残留者が、昨年十一月一日現在、史上最高の二十九万人にも達しており、こうした情勢に伴い、来日外国人による犯罪の発生・検挙も増加している現状にあります。 昨年の県内における来日外国人にかかわる犯罪の検挙件数は二十件二十名となっておりますが、内容は、窃盗、詐欺、入管法違反等であり、このうち入管法違反が十六件十六名を占めております。こうしたことから、本県警察といたしましては、特に増加傾向にある不法残留、不法就労事案に着目して、入国管理局等関係機関との連携を密にし、悪質ブローカーや暴力団の介在する雇用事犯等悪質な事犯に重点を置いた取り締まりを推進するとともに、こうした犯罪捜査には不可欠な通訳体制の整備等に努めてまいる所存であります。 最後に、暴力団対策についてであります。 平成四年末の暴力団勢力は、全国で約九万人余であります。このうち、山口組、稲川会及び住吉会の警察庁重点対象暴力団は約五万八千人と全暴力団勢力の約六割を占め、これら特定の広域暴力団による寡占化・系列化が進んでおります。県内における平成四年末の暴力団勢力は約六百四十人であり、このうち、警察庁重点対象暴力団は全国的な傾向とほぼ同様に六割を占めております。これらの広域暴力団による県内暴力団の系列化に伴い、その資金源活動をめぐつて、昨年四月には南陽市及び山形市で拳銃発砲を伴う対立抗争事件が発生したところであります。 県警察は、こうした暴力団情勢を踏まえ、また暴力団は反社会的団体であるとの明確な位置づけのもと、警察運営の最重点に暴力団の壊滅を掲げ、組織の総力を結集して、第一に昨年三月から施行された暴力団対策法の積極的運用、第二に暴力団犯罪の徹底検挙、第三に暴力団排除活動の積極的な展開を三本柱とする暴力団総合対策を推進しているところであります。暴力団対策法の積極的な運用につきましては、県内でも既に用心棒代要求事案等で三事案四人に中止命令をかけており、暴力団による不当な行為を中止させているところであります。 暴力団犯罪につきましては、あらゆる法令を駆使して取り締まりを行っているところでありますが、資金源犯罪の摘発等で昨年は百九十三件八十四人の検挙を見ているところであります。また、昨年四月には、暴力団対策法の要請に基づき、暴力団排除の拠点として、お尋ねの財団法人山形県暴力追放運動推進センターいわゆる暴追センターが設立されたところであります。同センターは、暴力団に関する無料相談活動、暴力団の被害者に対する救済活動及び暴力団組織からの離脱者に対する社会復帰支援活動等暴力団による不当な行為の防止、及びこれによる被害の救済といった事業に取り組んでいるところであります。 今後、県警察といたしましては、以上述べた暴力団総合対策の三つの柱を中心として、新年度には暴力団対策室を独立所属の暴力団対策課とするなど組織機構を改革し、引き続き警察の総力を結集して暴力団の壊滅に取り組んでまいる所存であります。 以上、組織暴力を中心とする御質問にお答えしてまいりましたが、県警は、県民の安全と平穏な生活を確保し、また、県民の期待と信頼にこたえるべく一層努力してまいる所存でございますので、皆様方の一層の御理解と御支援をお願い申し上げます。 ○議長(土田啓君) この場合休憩いたします。 午後一時再開いたします。      午前十一時五十六分 休憩      午後一時四分 開議 ○議長(土田啓君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑及び質問を続行いたします。九番菅井源三郎君。 ◆9番(菅井源三郎君) 平成五年度当初予算を審議する本定例会におきまして、質問の機会を与えていただきました議員各位に対し感謝を申し上げます。 質問に先立ちまして、同期の議員として大変お世話になりました布川章議員そして竹田邦蔵議員を相次いで失いましたことは、まことに残念でなりません。改めて、お二人が県勢発展に尽くされました生前の御功績に心から敬意と感謝を申し上げます。謹んで御冥福を申し上げるものであります。 なお、十九年余の長い間、山形県勢発展のためにひたすら心骨を注がれた板垣前知事の御功績をたたえ、深甚な謝意を表し、御回復の一日も早からんことを祈るものであります。 さて、高橋知事におかれましては、さきの知事選にめでたく御当選されましたことを、心からお喜びを申し上げます。そして、県勢発展のため選挙で公約されました県民本位の対話と協調による明るい開かれた県政を目指して、清潔、公平・公正を旨とする県政運営を進めていただきたいと存じます。 質問の第一でございますが、平成五年度当初予算についてであります。 知事は生活大県の実現を目標に、県政の諸課題に対する施策についての実質的な伸びは確保したと言われていますが、当初予算において対前年度比二・七%の減少であり、三十七年ぶりの減額予算となったわけであります。歳入についてでありますが、長引く経済の低迷から税収において前年度比五十億円、五%の減少、地方交付税については前年度に引き続き二百二億円、十%の減少と、厳しい財政事情の中でここ数年前年度対比マイナスに推移してきた県債を三六%、百六十億円増を見込み、さらに基金の大幅活用により財源の確保を図られる等大変御苦労されたようであります。景気の現況から見て、税収には今後とも大きな影響が懸念される情勢にあるかと考えます。今後どのような見通しをなされておられるのか、伺いたいと思います。 歳出についてでありますが、県経済や県民生活に影響の大きい景気対策に重点を置き、公共事業の全面受け入れを図り、単独事業も地方財政計画を上回る十五・八%の伸びを確保するなど、積極的な対応には評価をするものであります。しかし、投資的経費を見ると前年度五・三%の伸びに対し、三・三%にとどまっているようでありますが、それらの要因とこれらの投資による景気浮揚の効果をどのように見ておられるのか。一方、財源確保のため、県債管理基金七百九十八億円の中から百八十一億円など二百十九億円を基金から繰り入れされております。これは今まで築き上げてきた財政基盤を大きく崩すことになり、今後の財政確保等にどのような方策をなされようとしているのか、お尋ねをいたします。 次に、農業の振興策についてであります。 一つは、米市場開放問題についてでありますが、県議会としても自由化阻止の決議をし政府に対して意見書等を提出するなど阻止の態度を明確にしてまいっております。また、板垣前知事も自由化絶対反対の姿勢を明確にしてこられたことは御承知のとおりであります。高橋知事は就任時の記者会見において、国政に対しては農業県として輸入反対の立場を推し進めていくが、現実論として対外競争力がついた時点で自由化も含め考えることになると思うと述べ、農業の技術革新や基盤整備などを通し、将来自由化されても大丈夫なように対外競争力をつけたいと語っておられたようであります。かつて、農林水産部長として農政のトップにおられた方でありますから、御発言については本心から出たものと解してもよいのか、知事としての基本的姿勢、考え方をお聞きしたいと思います。 次に、農業振興ビジョンにおける専業農家育成についてであります。国は、昨年六月、今後の農政展開の基本的考え方と方向を示す新農政プランを発表しました。これを受け、県では今後の農業構造の動向と対応策を探るための諸調査等を行い、各界各層の方々の構成による農政懇談会を設置され、本県農業振興ビジョンの策定を進めてまいりました。今回それをまとめられたようでありますが、それを見ると、魅力ある県農業確立のための条件整備と農村定住条件等の整備が二本の柱になっており、実践的な具体性のある攻めのビジョンとするよう配慮したとありますが、将来とも魅力ある本県農業・農村形成の主導的な立場にある専業農家育成に係る基本的な考え方と具体策について、農林水産部長よりお伺いをいたします。 次に、県産良質米の生産体制と展望についてであります。昨年は「ユメの米」として、水稲新品種のはえぬき・どまんなかを県内はもちろんのこと全国的な期待の中で売り出し、名実ともに好評を受け、良質米の生産県としての高い評価を得たところであり、「ユメの米」開発は大成功であったと言っても過言でないと考えます。今年度の作付計画によれば、はえぬきは四千三百七十六ヘクタール、どまんなかは一千三百四十一ヘクタールと、この二品種が大幅にふえるようであります。今後、はえぬき・どまんなかを中心とした品種間の作付構成についてどのような方針で指導をされるのか、また将来の市場性や消費者嗜好を先取りしさらに的確に対応できるよう、またササ二シキの低落等の二の舞いにならないような、今後の新品種開発への取り組みについてどのような考えでおられるのか、あわせてお尋ねをいたします。 次に、国体後の競技力向上対策への取り組みについてであります。 第四十七回国民体育大会は、完全国体として国体史上例のない高い得点で総合優勝をなし遂げたことは御承知のとおりであり、百二十六万県民の総力の結集のたまものであります。べにばな国体を契機として醸成されたすばらしい競技力、県民のスポーツ振興への機運を一層高め、県勢発展の原動力となるよう望むものでありますが、今後の競技力向上対策はどのように進めるのか、国体後に急速に成績を低下させる先催県もあるようですが、本県はどのような目標を掲げどのような体制で取り組むのか、教育長よりお伺いいたします。 次に、県立農業高等学校の研修施設としての活用についてであります。 現在、農業・農村は後継者の減少、高齢化の進行など厳しい事態にありますが、国民生活に欠くことのできない食料の安定供給という大切な使命を持つ農業であります。この農業に取り組む意欲あるそして有能な農業者を育成することが重要であると考えます。現在、置賜農業高等学校の改築整備が着々と進んでおり、バイテク、コンピューター等の設備が充実されようとしていますが、学校教育の場としてのほかに、農業大学校短期研修館のように得意なカリキュラムを構築して、地域農業者の研修施設としての機能を併設することを提案いたしたいと考えておりますが、これは本県農業振興ビジョンを推進する上でも必要なことであると自分は考えます。当局の十分な検討をいただき、ぜひ実現していただきたいのですが、教育長の御所見をお伺いいたします。 地域文化振興の拠点施設整備についてであります。 知事は、施策の第一に「明日を築く人づくりと文化の創造」を挙げておられます。そして、個性豊かな文化は交流を生み、地域の活性化、豊かな生活の実現、若者の定住などを促進するとしておられますが、私も同感であります。そのためにも、地域文化振興の拠点施設の整備を求めるものであり、その一つを置賜地域に整備を求めるものであります。このことについては、昨年の二月定例会において野村研三議員の質問に対し、具体的な提案を積極的に受けとめていくことが長期展望作業の中での重要な課題であると答えられております。 そこで、私から置賜総合開発協議会で作成しました具体的な文化エリアづくりの構想を申し上げたいと思います。置賜三市五町には、自然風土や歴史・伝統に根差した文化的諸施設があり、それぞれの場所で個性を発揮し、置賜文化エリア形成の推進的役割を果たしております。しかし、近年、生活に潤いとやすらぎを与える文化への関心が高まる一方、生涯学習社会の進展により、地域住民の芸術文化活動に対する欲求は高度化・多様化するとともに、置賜は一つという意識の中で圏域住民が一つに集まり、芸術文化の交流や創造、圏域の既有の文化的諸施設の情報等が有効に交流・交換できる広域的な場の創設を望む声が高まってきております。 以上のことから具体的構想について申し上げますと、場の総称については仮称「県立おきたま悠遊パーク」といたしまして、そのパーク内に創設される施設については次に申し上げる六つの基本コンセプトを有するものであります。その一つは、各種芸術文化の継承、交流、創造活動を通してアイデンティティを創成する場であります。二つは、生涯学習の機会の拡充と人文・自然史面から郷土性の学習が享受できる場であり、三つは、多種多様な人、物、事象との交流を通して高次な文化を創出する場であり、四つは、人、自然空間との触れ合いの中で心に潤いとやすらぎを分与でさる場であり、五つは、圏域の諸施設とネットワーク化し、知識や情報の発信基地となる場であります。六つは、これら五つの施設のセンター的施設でありまして、県主導によるいわゆる県立の施設であります。以上が具体的構想であります。この構想の実現に向けて置賜が一体となって取り組みをしておりますが、これについてどのように受けとめられ、どのような方向を示していただけるのか、生活福祉部長にお伺いをいたします。 次に、均衡ある保健医療施設の整備についてであります。先ほど竹田重栄議員の質問に対して知事から大変丁寧な返答がありましたが、私からも質問したいと思います。 知事は、保健医療について県民だれもが適切なサービスを受けることができるよう総合的な保健医療体制の確立を図るとしております。そして県民がひとしくその効果を享受できるよう整備を進めるともしております。そこで、置賜に県立病院の建設整備を私は要望するものであります。このことについては、地域での長年の願望であります。ちなみに、県立病院への一般会計からの繰り入れの状況を見ますと、平成二年度決算で日本海病院分も含めまして、三十八億二千万円、平成三年度では四十五億四千二百万円となっております。また、平成三年度純損失が四億五千九百万円であり、三年度末処理欠損金が九十七億六百万円となっているようであります。この状況の中で、県立病院のない置賜が赤字だけはひとしく背負っていることになっておりますが、それからの効果にはひとしく享受していない現状であります。また、地域ごとの現在の病床数と充足率を見ても、平成十一年度目標年度に策定された新山形県保健医療計画において、置賜地区必要病床数二千四百七十五床に対して既存病床数は二千七十六床であり、充足率で八三・九%となっております。相対的に低い水準となっていることからも、置賜地域の医療確保は急務の課題となっております。知事は置賜にも県立病院の整備をと公約されたやにも聞いておりますが、抱負も含めお考えをお尋ねいたします。 続いて、「山形国際車椅子バスケットボール大会」についてお伺いをいたします。 べにばな国体に引き続いて開催された全国身体障害者スポーツ大会輝きのべにばな大会が大成功をおさめたことは御同慶の至りであり、特にこの大会は、「国連・障害者の十年」の最終年を記念する大会ということから、海外からも多くの国々から多数の選手を迎え、盛大に行われたわけであります。この国連・障害者の十年の基本テーマであります完全参加と平等の実現に向けて、障害者の福祉に対する県民の認識には大きな弾みがついたものと考えております。完全参加と平等は、ひとり障害者だけの問題ではなく、障害者に対する社会の正しい理解、すなわち社会の側からの受け入れと相まって進められていくべき性格のものであり、そのためには、障害者の側からも積極的に参加していくことが重要であります。その意味において、障害者のスポーツ振興は大さな役割を果たすものでないかと考えるのであります。 大分県で実施されております車いすマラソン大会を初めとして、国内各地において各種障害者スポーツ競技大会が開催され、障害者スポーツは大きな盛り上がりを見せております。こうした中で、本県において身体障害者スポーツ大会の正式な競技種目であります車いすバスケットポールの国際大会の計画は、まことに時宜を得た企画であり、輝きのべにばな大会開催を記念する有意義なモニュメントになるものと考えるわけであります。現在、県当局においては、平成五年度から開催に向けて諸準備を進めていく考えのようでありますが、現時点での大会の概要について生活福祉部長にお伺いをいたします。 次に、二十一世紀未来プロジェクト支援事業についてであります。 市町村における先導的・広域的拠点プロジェクトの支援・創出を図るため、二十一世紀地域活性化推進事業を進めるとともに、市町村振興資金に二十一世紀未来プロジェクト支援事業を加え、市町村や広域事務組合が行うまちづくりを支援するとしているが、具体的な事業の内容と対象となる基準そして進め方についてどのようにされるのか、総務部長にお伺いをいたします。 最後になりましたが、観光関係について商工労働開発部長にお伺いをいたします。 昨年は、べにばな国体の開催、山形新幹線の開業など大事業が展開され、本県が全国的に注目を集めたところであります。特に、観光面においても山形新幹線の開業に合わせたディスティネーションキャンペーンなビ大規模観光キャンペーンの実施、そして国体開催時においては、本県の産業・文化・観光・物産等全般にわたり山形を全国からのお客様に紹介・宣伝する山形展・山形フェスティバルなど大イベントを開催し、本県のイメージアップに大きな成果を上げたことは御承知のとおりであります。その結果、経済の低迷により他県において観光客の入り込みが減少している中で、本県では伸びているという喜ばしい状況だと聞いているところであるが、今後これを維持し、さらに誘客推進を図っていくことが大切なことであると考えます。本県には、全市町村が保有する豊富な温泉、果物・そば・米・酒等の食文化、出羽三山・山寺等の歴史文化遺産、さらに豊かな自然など全国へ誇れるものが数多くあることから、これらを売り込むいろいろな独創的な事業を積極的に展開していくことが必要であると考えているところであります。 さて、今年度の観光の目玉事業として山形県全般を紹介宣伝する山形フェスティバル九三を首都圏で開催するとのことであるが、その内容はどのようなものであるか、また、これらの事業は継続して実施することがより効果を発揮するものと思うが、今後の事業の展開また考え方についてあわせましてお伺いをし、私の質問を終わります。 ○議長(土田啓君) 高橋知事。 ◎知事(高橋和雄君) 初めに、平成五年度の当初予算に関連いたしまして県税収入の減額が続いているが、その内容についてどうかというお尋ねでございます。 最初に御説明申し上げましたように、県税収入につきましては昨年度より前年度比の減額となりました。昨年度は三・五%弱の減額でございましたが、五年度におきましては、これを約五%というふうなことで見積もっているところでございます。したがいまして、予算の編成につきましては大変厳しい段階に来ているという認識を持っております。 引き続いて、歳出について特に投資的経費の効果と各事業別の効果はどんなものか、あるいは理由はどういうものかというふうなお尋ねでございますが、詳細につきましては歳出等につきましての効果を総務部長よりお答え申し上げます。 さらに基金の運用につきましては、このたびは基金の取り崩しが相当ございましたが、これらは設置の目的に従って運用していくことが重要であると、こう思っております。あくまでも財政の健全運営というふうなことを念頭に置きながら、今後も基金の運用を図ってまいりたいと、こう思っております。この点につきましても、内容の詳細について総務部長よりお答え申し上げるところでございます。 次に、米の市場開放問題についてでございますが、米の包括関税化、すなわち市場開放問題につきましては、私は絶対反対してまいりたいと、こう思っております。山形県の食料、農業事情につきましては、日本の食料供給基地というふうなことで自他ともに認じておるところでございまして、将来とも農業の振興につきましては全力を傾けてまいりたいと、こういうふうに思っております。現在、農業経営は非常に苦しい環境にありますけれども、国内における山形県の農業の位置というふうなことを自覚いたしまして、今後とも開発整備には鋭意努力してまいりたいと、こう思っておるところでございます。 最後に、保健医療施設の置賜地区についての整備の問題でございますけれども、午前中もお答え申し上げましたけれども、特に議員からは県立病院の設置についてというふうなことがございましたが、県立病院につきましては、先ほどお答え申し上げました内容といたしまして、特に地域医療といたしまして三次医療を担当する機関というふうなことをお答え申し上げましたが、特に循環器疾患につきまして緊急あるいは非常に高度の医療技術を伴うというふうなことに私は非常な関心を持っておりまして、地域の医療とあわせてこの点についての置賜地域における医療体制の整備を図る必要があるだろうというふうに強く感じております。県立病院との認識につきまして、地域とも十分話し合いをしながら対応していく必要があるだろうというふうに考えておるところでございます。この点につきましては、特に県立病院というふうなことの御意見がございましたからお答え申し上げておくところでございます。以上でございます。 ○議長(土田啓君) 小手川総務部長。 ◎総務部長(小手川大助君) 最初に、平成五年度予算におきまして、投資的経費が前年度の伸びを下回っているということでございますが、これは議員御指摘のとおり、平成五年度につきましては対前年で三・三%の伸びということで、平成四年度が対前年度五・三%の伸びでございましたので、二ポイント下回っている状況でございます。 金額的には大体四十億円程度の伸びの鈍化ということでございますが、その内容を見てみますと、そのうちの大部分、約三十億円につきましては、今回、国庫補助負担率の見直しを行いました結果、いわゆる直轄事業に関しまして県の負担金が減少したということに伴うものでございます。それから、そのほかに大きな要因としましては、いわゆる災害復旧事業が完了したことによりまして、大体十億円程度減少してございます。したがいまして、通常の事業の規模においては前年度に劣らない規模を確保してございます。したがいまして、この投資的な経費を確保することを通じまして社会資本を初めといたします諸施設の整備が促進されるとともに、直接・間接の幅広い生産誘発効果をもたらしまして、県内の景況を浮揚させ、また中小企業経営の改善、安定化にも資するものと認識しており、それに大きく期待しているところでございます。 それから次に、いわゆる基金の活用につきましては、今般、非常に厳しい財政状況の中で年度間の財源の調整ですとか、あるいは県債の償還財源の確保と言いましたようなそれぞれの基金の設置目的に従いまして、できる限り事業量を確保していくという観点から取り崩しを現在行っておるものでございます。今後とも、財政の長期的な健全性それから安定性に十分配慮しながら、適時適切な活用に努めてまいりたいというふうに考えております。 最後に、新規事業でございます二十一世紀未来プロジェクト支援事業につきましては、この来年度平成五年度から新規に市町村振興資金の中に特別枠といたしまして、これは企業局からの借入金二億円を原資といたしまして二十一世紀未来プロジェクト支援事業を創設してございます。その内容は、市町村におきますところの広域的それから個性的、先導的な単独事業に対して財政支援をしていくというものでございます。具体的には、原則として総事業費十億円以上のものにつきまして、一事業当たり限度額一億円、これを三%の低利で貸し付けするということにしてございます。この支援する期間は、来年度から平成九年度までの五年間を予定してございます。この現在提案してございます平成五年度予算の成立後早々に、市町村に事業の趣旨を周知いたしまして、市町村からの要望を伺ってまいりたいというふうに考えております。よろしくお願い申し上げます。 ○議長(土田啓君) 山口生活福祉部長。 ◎生活福祉部長(山口寿男君) 地域文化振興の拠点施設整備についてでございますが、本県におきましては、御案内のように、各地域におきましてそれぞれの個性を生かしました歴史的・伝統的文化の継承・発展、あるいは新しい文化創造などの取り組みが活発に行われているところでございます。これらの文化を後世に伝え、同時に生涯学習や地域振興、観光などの視点も加えまして新たな発展を図りますことは、大変重要な課題であると考えております。さらには、若い人たちを中心とします新しい文化の創造に向けた活動を育成していくことも肝要であると存じます。県におきましては、県内各地域の文化活動に対する取り組みを二十一世紀に向けてより一層推進していきますために、文化振興の方向とあり方につきまして現在検討を進めているところでございます。平成五年度には、本県の文化振興の指針となります山形県文化振興指針、仮称でございますが、これを策定いたしたいと存じております。策定に当たりましては、県民の文化活動の支援など県民がより充実した文化活動ができる環境の整備につきまして、有識者から成る委員会などにおきまして、県民の方々の御意見を広く伺いながら検討してまいりたいと考えておるところでございます。 ただいま御提言ありました置賜地域の文化振興につきましては、本県の均衡ある地域文化の振興を図りますことは重要な課題として認識しておりますので、本県文化振興の課題の中で、先ほど申し上げました委員会等においても十分論議がなされるようにしてまいりたいと考えておるところでございます。 また、御提言の内容が多岐にわたっておりますので、関係部局とも十分連携を図ってまいりたいと存じておるところでございます。 次に、「山形国際車椅子バスケットボール大会」についてでございますが、県といたしましては、このたびの輝きのべにばな大会成功の経験を生かしまして、障害者のスポーツの振興はもとより、本県社会福祉の一層の向上に努めていくことが重要であると考えております。このような認識に立ちまして、輝きのべにばな大会を契機に飛躍的に盛り上がっております障害者スポーツと障害者福祉に対します県民の関心をさらに高揚してまいりますとともに、障害者の社会参加や、県民と国内外の障害者との多様な交流を推進することなどを目的といたしまして、平成七年度に山形国際車椅子バスケットボール大会を本県において開催したいと考えておるところでございます。車いすバスケットボールにつきましては、障害者スポーツの中でも極めて人気の高いスポーツでございます。既に諸外国でも幾つかの国際大会が開催されておりますが、アジア、オセアニア、アメリカ地域での国際大会がないことなどから、本県が計画しております大会につきましては、ヨーロッパ選手権開催年にアジア、オセアニア、アメリカ地域を対象としまして二年ごとに開催をしてまいりたいと考えておるところでございます。 この大会を平成七年度に開催しますためには、開催二年前までに国際車椅子バスケットボール連盟に開催の申し出を行いまして、国際大会の承認を得る必要がございます。そのために平成五年度におきましては、当面、組織委員会等を設置しまして、大会実施要綱等の検討を行いますとともに、各種の大会開催に向けての諸準備を進めてまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(土田啓君) 酒井商工労働開発部長。 ◎商工労働開発部長(酒井雅君) 首都圏で開催する山形フェスティバル九三についてでございますが、山形新幹線の開業、これに合わせて実施いたしましたデスティネーションキャンペーン、そしてべにばな国体の開催などによりまして、本年度は山形県が全国から注目され、観光面におきましては特に大きな成果があった年ではなかったかと思っております。この全国的に注目された山形県を引き続き内外にPRし本県のイメージアップを図るとともに、観光振興そして県産業全体の発展に結びつけていくことが重要であると考えております。このために、新年度はPR効果が非常に大きく、観光客の入り込みの増が期待できます首都圏におきまして、山形県の総合的な情報発信のためのイベント山形フェスティバル九三を十月一日から三日問、東京都の代々木公園において開催する予定にいたしております。内容につきましては、今後、関係市町村あるいは関係団体と意見を交換しながら検討を進めてまいりますが、観光あるいは物産面にとどまらず、産業、文化、歴史など山形県の全体像を紹介し、さまざまな工夫を凝らしまして山形県の魅力を強くアピールできる内容にしたいと考えております。 なお、首都圏でのこのようなイベントの継続開催につきましては、今回のイベントの成果を十分踏まえまして検討してまいりたいと考えております。 ○議長(土田啓君) 工藤農林水産部長。 ◎農林水産部長(工藤正幸君) 農業振興ビジョンにおきましては、議員御指摘のような、今後、農業農村の主導的な立場を担う農業者にとって農業が職業として魅力のあるものとなるよう、農業により地域の他産業従事者と遜色のない水準の所得が確保されること、農業者の創意と工夫の発揮次第で限りなく発展し、自信とやりがいを実感でき得るものであること、労働時間の面においても他産業並みの水準に改善されることの三点を条件として掲げているところでございます。こうした条件が整備されれば、農業者も意欲と自信を持って営農に取り組めることとなりますし、また、このような農業者がそれぞれの地域に数多く確保されることにより、地域の農業や農村も活気づくものと考えております。こうした条件整備のため、ビジョンでは今後重点的に取り組む施策展開の方向も明らかにしており、平成五年度をビジョン具体化元年として位置づけ、予算の中にも各種支援事業を盛り込んでいるところであります。具体的には地域における合意づくりの目標となるモデル例の実証、意欲ある農業者に対する農地集積や資金等の面での重点的支援のほか、農業経営面での指導強化への取り組みなども実施してまいりたいと考えております。 次に、今後の本県稲作の生産振興方針につきましては、農業振興ビジョンでも明らかにいたしているとおり、はえぬきやどまんなかといった本県独自の品種を軸に、良質米主産県としての山形のイメージを強調し、産地間競争にも対応していきたいと考えております。このため、水稲の品種構成につきましては、御指摘のとおり、平成五年度においてははえぬきとどまんなかの大幅な作付拡大が図られることになっておりますが、その際にも適地適作といった生産の原点が厳守されませんと、品質の面での評価を下げることになりますし、また、稲作の経営規模が拡大される場合には、作業の面からも熱期の異なる品種の組み合わせも必要になりますことから、ササニシキを含め複数の主力品種による望ましい構成を実現することが必要なことと考えております。このため、今後、生産者団体とも協議いたしまして、中期的な品種別作付計画を策定いたしまして、その計画的な達成に向けた取り組みを強化してまいります。また、新品種の開発は、本県稲作の先進性を確保していくためにも非常に重要なことであると認識しております。現在の米の事情を見ますと、単に良食味ということではなく、多収性のもの、熱期に特徴のあるもの、酒等の加工適性のあるもの等いろいろニーズがありますので、そうした市場性や消費者ニーズを先取りした課題設定により研究開発を進めてまいりたいと存じます。 ○議長(土田啓君) 木場教育長。 ◎教育長(木場清耕君) お尋ねの二点につきましてお答えを申し上げます。 第四十七回国民体育大会べにばな国体でございますが、このべにばな国体は県民を挙げての取り組みによりまして、我が山形県が男女総合優勝を獲得をいたし、また施設・運営の面におきましても内外から高い評価をいただくなど、大成功のもとに終了することができました。 べにばな国体で総合優勝を達成できました大きな要因はいろいろとございますが、何と申しましても昭和六十年に競技力向上対策本部を県に設けまして、以来八カ年にわたります総合計画並びに年次計画を立て、官民を挙げて強化事業を推進してきたことであるというふうに考えております。しかしながら、総合優勝できたとは申せ、これからの国体におきましては、すべての競技種別にエントリーすることができました開催県の特典がなくなりますし、ほとんどの種別で東北の予選を通過いたしませんと本番国体に出場できないという事情がございます。しかしながら、総合優勝をいたした国体開催県といたしまして、今後の国体におきましてそれなりの成績を獲得いたすことは県民の多くの方々が期待し望んでおられるところであると思いますし、これまでの国体先催県と同じような成績は確保していきたいものと考えております。 このことから、今後とも競技力向上対策事業を本県体育・スポーツの重要な課題として位置づけまして、べにばな国体で培いました強化基盤を生かした競技スポーツ強化本部を新たに設け、競技団体の重点的な強化、企業におきます競技スポーツや市町村に根づいた競技スポーツの振興など、本県スポーツの競技力向上を目指すいろいろな施策の推進にこれから努めてまいりたいと存じております。 次に、県立農業高校に関するお尋ねにお答えを申し上げます。現在、農業高校におきましては、時代の進展に対応した魅力のある農業教育を推進いたすべく、学科の改編などを行っているところでございます。例えば、置賜農業高校におきましては、バイオテクノロジーによりますヒメサユリの増殖や、牛の受精卵移植など、関係機関と連携をいたしながらその技術を地域にも還元するなど、地域に開かれた農業教育を目指して取り組んでいるところでございます。 置賜農業高校におきましては、ただいま校舎の老朽化が進んでいることなどから、平成六年度末の完成を目指しまして、全面改築を行っているところでございますが、この中にバイオテクノロジーやコンピューターに関します近代的な農業の学習施設も含まれてございます。御指摘のとおり、地域農業者の研修の施設としての機能を持たせ、地域と連携してまいりますことは、時代の要請でもあるととらえておるわけでございます。そのためには、特色のあるカリキュラムの開発などの諸問題につきまして内部検討も必要でございますので、今後の研究課題の一つとしてとらえさせていただきたいと存じます。 ○議長(土田啓君) 九番菅井源三郎君。 ◆9番(菅井源三郎君) 大変ありがとうございました。県立病院についてさらに御検討をいただきますことを改めてお願いを申し上げ、質問を終わりたいと思います。 ○議長(土田啓君) 二十九番三井啓光君。 ◆29番(三井啓光君) 高橋新知事の就任後初の平成五年度当初予算案を審議する今次定例会におきまして質問の機会をお与えいただき、まずもって議員各位に対し深甚なる敬意と謝意を表しながら、上程されました予算案並びに当面する県政の諸課題について質問を申し上げるのでありますが、知事初め関係部長におかれましては明確にして誠意ある御答弁を期待いたすものであります。 なお、これまでの議員諸兄の御質問と一部重複する向きもあろうかと存じますが、通告の次第に基づき質問いたしてまいりますので、あらかじめ御寛容のほど、よろしくお願い申し上げます。 さて、厳しい財政再建と高度経済成長を経て県土の基盤づくりと社会資本の充実に力点を置き、べにばな国体、全国身体障害者スポーツ大会の成功、山形自動車道・庄内空港・山形新幹線など高速交通網の開通・開港、遊学館の開館、東北芸工大の開学等平成開花の主要プロジェクトの完成に思いをいたすとき、板垣前知事の十九年三カ月に及ぶその御労苦をねぎらい、感謝申し上げる次第でございます。 と同時に、短期決戦の中にも壮烈を極めた県知事選史上未曾有の激戦を経て、戦後四人日の第四十六代県知事に就任されました高橋知事に対し心からなる敬意を表しつつ、板垣前知事の偉大なる成果、足跡を継承し、激動を続ける本県内外情勢のもとで二十一世紀を志向し、新しい発想と政治決断をもって百二十六万県民の先頭に立つ確固たるリーダーシップを期待いたすものであります。知事就任後、間断なき県政の進展のために連日多忙な日が続いております。そのためか、はたまた緊張の連続のためか、先日、知事は米の自由化発言の修正、さらには遊佐町町長選への心配りなど、ある意味で広く県民に話題を提供されました。私は、これらの事例を通じ率直に申し上げ、与えて言うならば、知事もやはり鬼神ならぬ一人の人間なのだということで人間味ある一面をかいま見た思いであり、一方奪って言えば、今や知事は高橋和雄個人である前にまず山形県知事高橋和雄なのだということでありまして、そのときどきの事情にもよりますが、この両者を兼ねるかあるいはいずれか一方の側に徹し切るか、私人・公人の区別をいかにして振る舞われるかについては知事御自身の御判断にゆだねたいと存じます。 次に、選挙中のマスコミのアンケートで、時間的余裕がある場合最もやりたいことは何かの質問項目で、知事はさしあたり野外に出たり、自然に親しんだり、読書や音楽鑑賞、気が向けばピアノ演奏をしたいと答えておられました。そこで、音楽に造詣の深い知事は、既に御案内と存じますが、演奏にビオラ演奏というものがあり、このビオラ奏者はオーケストラの中にあって他の楽器の音をしっかりと聞さ分けながら適切に自己の音を発することが要求されるのであります。いわば、知事は県政のビオラ奏者であるべきであります。今まさに県政の新しい幕が上がり、新しい指揮者のもとでいよいよ二十一世紀という新しいステージにまみえるときが到来したのであります。今、県民が何を求め将来に向けて県は何をなすべきか、新しい目で見きわめ、新しい耳で聞き分け、広くしっかりと把握されてしかるべきであります。 クリントンアメリカ大統領は、わずか十五分足らずの就任演説の中で、変革という言葉を十一回、再生という言葉を八回用いて国民に訴えておりました。このクリントンの選挙の得票率は四七%であり、ブッシュ・ペローで五三%でありました。しかしながら、ひとたびクリントンが増税政策をにおわすようなことを訴えたところ、このブッシュとペローを支持した五三%のうち、八〇%の人がアメリカの再生のために国民も犠牲を払うべきだとの理解を示したということであります。増税は決して歓迎しないまでも、政治と世論というものはこういうものだということを端的に示している例であります。 とどまることのない県政の流れの中で常に変革と再生を求められる知事は、知事御自身のおっしゃる「県民本位の、対話と強調による明るい開かれた県政を目指して、清潔・公平・公正を旨として…」とした県政の運営に期待を寄せながら、以上るる申し上げた観点から知事の今後の政治姿勢について、私からも改めてお伺いしたく存じます。 次に、知事は選挙公報や提案説明要旨の中で「市町村を軸として県政を」、「県土の均衡ある発展」とうたっておられます。以下若干の私見を申し上げ、知事の見解をお尋ねいたしたいと存じます。 まず、今日、地方分権を語らぬ人はおりません。なぜ地方分権なのか、それは国が国際社会の変化に即応できる体制をつくるためとか、また東京一極集中を是正するためとか、さらには中央集権下での利益誘導体質を排除するためなどの理由が挙げられておるのでありますが、そのいずれもが中央の事情であります。むしろ、中央の権限を分けてもらうという分権よりも、地方主権という言葉の方が民主主義の基本的考え方にマッチするのであり、地方主権の主役は市町村であるべきであります。 分権について重要なことは第一に生活者の政治であり生活に身近な住宅、環境、福祉、健康などをめぐる課題は地域によって住民のニーズは多種多様であり、地域の実情に沿ったきめ細かな施策を実施すべきであります。第二に、地域の活性化であり、それぞれの地域社会の経済・文化の多様な発展に基礎づけられてこそ国全体のバランスある発展があり、このように地方分権とは地域の多様性、自主性を尊重して生活や地域社会にかかわる政策を地域みずからが決定できる仕組みにすることであり、それは勢い中央集権による行政サービスの画一化の時代から地方行政の自由化による自治体問競争の時代へと変化させ、そこでは各地域問での行政サービスの質と量が比較され、行政マンの知恵と工夫が競われることになるのであります。ここで言う地域とは、住民に最も近い市町村を指し、地方分権の主眼はむしろ市町村にどれだけ多くの行財政権限を移せるのか、また分権の受け皿としての市町村はどうあるべきかというところに第一義的課題があると思料いたしておるものであります。すなわち、このような課題をなおざりにしている地方分権の考え方は間違いであり、今後は地域主権の時代であり、市町村こそ地方主権の主体であると考えるものであります。 以上の私見に対する知事の率直なる御意見、所見をお聞かせいただきたいと存じます。 あわせて、県全体の民力を高めるためには、市町村へのてこ入れも欠いてはならないことであり、知事は先月十八日、県町村議長会定期総会で県勢発展のために市町村を軸とした取り組みの重要さをここでも訴えられ、県と町村間の連携を強化する組織を新たに設置する、新年度にも地域の活性化方策を検討、推進するため、県と町村の共同組織、創設を考えていると表明されておりますが、具体的にいかなる手順をもってどのような共同組織の創設、設置をお考えなのか、その構想についてお伺いしたいと存じます。 次に、景気低迷の度合いが予想以上に深刻を極めておる中で、本県においても個人消費は伸び悩み、生産活動も低調に推移しておりますが、春以降、景気が徐々に上向くという説、否、景気回復はよくても今年の夏過ぎまでは期待できないという説があり、一方において不況からの脱出の糸口は今のままではなかなかにして見出だせないというように、いろいろの見方があるようでございます。御案内のごとく、今回の不況はいわゆる複合不況であります。景気対策で肝心な点は、常識的に言っても分析判断の対応を誤らないことであり、今日のこの複合不況を深刻にしているのは国における初期の分析判断が的確ではなく不況認識を誤り、対応策のボタンのかけ違いではないかと思料いたしております。 そこで、新年度県予算案では従来のごとく公共事業の全面受け入れと地財計画十二・〇%を上回る十五・八%の単独事業の積極的導入、投資的経費三・三%の伸び率で厳しい制約の中にあって景気対応に精いっぱいの配慮を示したとは見ておりますが、国の方策がそうであるように、公共事業中心の従来型の景気対策に固執した公共事業一本やりにはおのずと限界があり、内需を活性化するには総支出の五〇%以上を占める個人消費を広く喚起させ、いまひとつ消費を直接刺激して波及効果のすそ野を広げる本県独自、特有の手段方策はないものか、景気対策に特効薬はないとする向きもある中で、宮城県など他県の例では景気対策会議を設置し、県内景気に関する情報交換を通じ、各部局の構成メンバーで今後の対策を協議することになっております。景気対策こそ継続性を持たせるべきとする論点からも、本県なりのその対応策と本県経済と景気の動向に対する御認識について御所見を承りたいと存じます。 次に、山形市周辺の広域合併構想、すなわち五十万都市圏構想についてお尋ねいたします。一部の意見として合併は山形、上山、天童、中山、山辺の各市町の利害関係が存在しているため、中立的な立場であえて静観し、仲介の労はとらぬ方が得策とか、関係市町の間にはそれぞれ独立した歴史や経済的事情が背景にあり、これをまとめる求心力が山形市には存しないとか、今、安易に合併を論ずるのはいたずらに混乱を招来する等々の意向があるやに仄聞いたしておりますが、他方において知事が関係市町との協議調整を大所高所の立場でできないものかと期待を込めた動執生疑を抱く意向もあるのも事実でありますが、このように関係市町との問に賛否両論もある中で、この機会に新知事としての忌憚なき御所見をお聞かせいただきたいと存じます。 次に、山形ニュータウン構想は文字どおり新しいタイプ、新しい発想の街づくりとして広く注目を集め、大きな期待が寄せられているところでありますが、事業計画調査、商圏調査の進捗状況についてお尋ねいたします。 また、手続上の問題として、用地の先行取得事業計画の認可、対象用地の法的規制解除などの手続関係についても現状をお示しいただきたいと存じます。 さらに、総論はともかくとして各論における山形市、上山市両市の地元地権者の同意協力関係はいかなる実情にありますか、お聞かせ願いたいと存じます。 次に、幾つかのコアの中で、健康福祉コアの中核施設として脳血管疾患の治療センターとリハビリ施設を併設する日赤病院の誘致計画の中で、日赤本社との協議調整の現状はどうか、あわせて勤労者の職業相談、情報提供や文化と体育施設を設置計画の山形勤労者総合福祉センターB型の建設について、設置主体の雇用促進事業団との協議は基本構想を含めいかなる方向で進行中なのか、お聞かせいただきたいと存じます。 次に、少子化時代の多様なニーズに対応できる体制の確立に関して若干の提案とお尋ねをいたします。 今、子供の数が急激に減少しつつあり、昨年は人口一千人当たりの出生率が九・八人にまで落ち込み、ついにイタリアと並び世界最低となっており、厚生省の試算では我が国は四年後の九十七年には六十五歳以上の老年人口が十五歳未満の年少人口を上回るとされ、子供の数が少ない少子化社会に本格的に突入していくわけであります。さらに、我が国の女性の一人平均一・五三人しか子供を産まない少産化社会が進行しており、このまま推移すると二〇一五年には四人に一人が六十五歳以上の高齢化社会となり、現在働き盛りの人は、軒並みそのど真ん中で暮らすことになるのであります。 去る三月三日、くしくも女の節句の当日、平成四年度の補正予算を審議する厚生常任委員会における説明で一例を取り上げますと、児童手当負担金六千六百七万三千円、児童扶養手当給付費五千七十五万九千円で、合計一億一千六百八十三万二千円の減額補正があり、この理由はすべて対象人数の減少ということでありました。社会保障費の負担アップ、慢性的な若年労働力不足など少子化社会の弊害を指摘する声もありますが、何よりも県勢の発展にブレーキをかけ、影響を与えることが想定され、ひいては富国政策の面でもマイナスを来すことは必定であります。 出生率低下の要因は、高い教育費、狭い住宅、心理的・体力的負担、離婚率の上昇、晩婚化など種々ありますが、最大の理由は育児施設や制度の不備であります。子供を産む産まないはあくまでも個人の判断であり、政治が立ち入るわけにはいきません。しかし、子供が欲しくても育児と仕事の両立を考えると、二の足を踏むケースも少なくないのであり、子育ての環境さえ十分に整備されれば、出生率は回復していくわけであります。厚生省は新しい保育サービスのあり方について、おくればせながら論議を開始し、保育問題検討会を発足させ、必要な施策を打ち出すと仄聞しておりますが、これが実れば戦後の保育制度発足以来の大改革となることは必至であります。保育所は公・私立ともに利用時間が原則として一日八時間、延長時間は夜七時までしか認められず、しかも、この延長保育を実施している保育園は数にも入らぬくらいであります。既婚女性の二人に一人が働く時代にしては現体制はまことにお粗末であり、事実民間の夜間保育施設を利用するためにわざわざ転居するケースもあるくらいであります。 新年度予算案では特に保育需要多様化対策事業、そして保育所・児童館の設置等の諸経費を計上していることは一定の評価をいたしておりますが、今後の課題として夜間延長保育の強化策、入所基準の緩和、保育所と老人施設の併設、企業内保育への支援、子育てアドバイザーの設置、保育料負担の大幅軽減等々の実現に近づけて初めて出生率の回復が望まれると思料いたすものであります。 さらには、昨年四月に育児休業法が産声を上げてからはや一年を経過しようとしており、人間で言えばそろそろよちよち歩きを始める子も出てくる時期でありますが、これに反し同法の成長ぶりは全く芳しからず、働きながら子育てができる社会の建設に向けて幅広く議論を深めることが求められるのであります。 以上、何点かにわたり申し述べた論点から、これらの対応対策としての御所見をお尋ねいたしたいと存じます。 以上の論議を踏まえ、さらに申し上げますと、今、一人当たりの乳幼児に対する受診回数や診療費が年々増加傾向にあり、父母の経済的負担も増大いたしております。本県でも、これに対し公費助成事業を実施いたしておりますが、対象年齢、所得制限と一部自己負担など、県内市町村の実施方法でおのおの差異があるのが実態であります。例えば対象年齢でも、山形市が新年度より三歳児まで、現行では酒田市一歳児まで、他の市町村はすべてゼロ歳児であり、所得制限も藤島町を除いて他はすべて設けている実情にあります。北海道、東北六県の中でも北海道は五歳児まで、宮城県は三歳児まで、秋田県が二歳児まで実施いたしており、全国で県民所得の比較的低水準にあると言われる鹿児島ですら五歳児までを対象といたしており、本県の場合、不十分ながら実施の市町村、未実施の市町村のある中で同一県民でありながら大きな格差のあることに不満を抱く県民も多いことを見逃すわけにはまいりません。今後の県の対応次第でさらに手厚く前向きで検討できると申している市町村自治体の声のあるのも事実であります。 県内全市町村が、一様に実施に踏み切り、対象年齢の引き上げ、所得制限の撤廃など乳幼児の疾病予防、早期発見のため、さらには二十一世紀を支える未来からの使者とも言うべき子供を守り育てるため、せめて三歳児までの乳幼児医療費完全無料化制度と五歳児までの歯科診療無料化制度の早期実施を強く訴えるものでありますが、確固たる所信のほどをお伺いいたしたく存じます。 知事の基本施政方針の三本柱の中で、明日を築く人づくり云々という中で、少子化時代の到来、二十一世紀を担うすべての子供の可能性を助長するとあり、さらには住みよい活力あふれる地域づくりの中で、健やかに子供を産み育てる環境づくりを推進する児童福祉対策としてこども二十一世紀プランの策定をうたわれておりますが、以上申し述べました論点に基づき、まず原点に立っての施策を実施・計画してほしいとこいねがうものでありますが、知事としての御所見と御決意のほどをお示しいただきたいと存じます。 次に、本県の特産品としてサクランボ同様日本一の生産量を誇るとともに、形は無骨で一見取っつきにくいが、ひとたび食すれば独特の香りと風味から、みちのく山形の県民性を象徴する果物ということで人気上昇中のラ・フランスでありますが、生食のほかにジャム、ゼリー、アイスクリーム、和洋菓子にといった付加価値製品を開発するまでに至っております。 この果物の女王とも言うべきラ・フランスから昨年より奇病が発生し、その原因がいまだ究明されぬままにあり、このままではイメージダウンも懸念されるとして関係者を悩ませている実情にあります。従来、ラ・フランスの病害として、胴枯れ病、輪紋病、酸素病、くぼみ病等々があり、これらについては防除方法も確立されておるのでありますが、今回の果実腐敗は今までの症状と全く異なり、予冷、追い熱、冷蔵の段階でぶよぶよ、ぐしゃぐしゃとなり、果汁が吹き出す状態であります。山形でも仲卸業者九社のうち二社のみがあえて恐る恐る取り扱っておりますが、ひとたび奇病発生で損失を被っても何の補償もなく、さらに一般個人が贈答用に発送した場合、あけてびっくりということでは、個人の信用もさることながら、県特産品として全国津々浦々にもたらすイメージダウンははかり知れないものがあります。一部農協では、ラ・フランス、リンゴ、サクランボなどの糖度センサーを中心に熱度、色合い、大きさ等々を高速で判別するセンサー装置を有する高精度のコンベアシステムである最新プラントを価格三億円程度を投じ導入する計画とうかがっておりますが、このラ・フランスに限っては、収穫時は健常であり風味は異常ないが、次の保冷の過程で前述の奇病が発生するというぐあいでは、生産・販売関係者としては甚大なるショックを禁じ得ないのであります。 県がかねてより推奨してきた産地づくりを進める上でも、この障害の実態がいまだ何ら解明されずにおることで、一日も早い機会にこの病魔の正体を究明する必要があります。奇病のよって来る原因は何か、天候、土壌、肥料などの因果関係などの研究、解明の対策はどうなっているのか承りたいと存じます。 かの斜陽、炭鉱の町として低落の途をたどりつつあった北海道夕張市が道知事、市長が先頭に立って宣伝に走り、一丸となって開発と生産販売に努めた夕張メロンは、今や年間二百億円の売り上げを誇り、地域経済に大きなウエートと役割を果たしておるのであります。本県のラ・フランスはこの夕張メロンよりも販売期間が長く、すそ野も広い点が有利であり、格段の力を持っていることも事実であり、今後の問題解決と奨励次第ではやがて夕張メロンを追い抜き、全国を風靡する日もさほど遠くはないと確信してやまないのであります。 最後に、山形駅周辺の都市拠点総合整備事業に関してでありますが、時間の制約上、若干の課題についてお尋ねいたします。 山形駅周辺再開発の重要ポイントである山形駅西土地区画整理事業は、この成否いかんにより構想にある総合交通センター生活情報センター、県の文化会館、市の音楽堂、そして道路整備等々における拠点施設整備を画餅に終わらせないための重大な要素を占めておるのであります。今日まで地元説明会を開催しておりますが、総じて地権者初め借地権者等の意向、協力関係はいかなる状況にありますか、さらに最大地権者である東ソーの問で県・市との三者協議会が設置されておりますが、協議の中で東ソーの意向と今後の対応としてどのような見解をお持ちであるのか、つぶさにお聞かせいただきたいと存じます。 以上をもちまして私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(土田啓君) 高橋知事。 ◎知事(高橋和雄君) 私の政治姿勢と施政方針についてのお尋ねでございますが、初めに今後の政治姿勢について御説明申し上げたいと思いますが、県勢の発展を図るためには、県民一人一人がそれぞれの立場において努力していく力をあらわしていくというふうなことは当然のことでありますけれども、県の行政といたしましては、県全体の産業の振興、一次産業から三次産業、四次産業も含めましての産業の振興というふうなことが県勢発展の基礎をなすものと、こう考えます。そしてまた、産業の振興を図るためには、社会資本の整備充実は欠かせない課題であります。引き続きこの社会資本の整備を進めていくことが重要な課題であるとこういうふうに認識しております。また、社会における基本的な諸要素がございます。医療施設であるとかあるいは福祉施設の整備であるとか、そういった基本的なものについて近代化とともに整備していく必要があるだろうと、こう考えております。 特に、また二十世紀を目前に控えまして、教育と文化の振興が極めて重要な課題であるとこう思っております。特に、教育につきましては、教え込む教育からそれぞれの個人の能力を引き出す教育と、そしてまたその能力を社会において発揮し社会に貢献できる、その結果また社会人として立派な生活を営めるというふうな環境における教育が極めて重要であると、こう思います。まさに二十世紀を展望しての教育を私はそのように実現していきたいと、こう考えております。 また、地域の文化の振興というふうなことは極めて重大であると、こう思っております。各地域には、それぞれ地域に根差した歴史ある文化があるわけでございますが、その文化を享受し、さらにまた未来に向けて育成していく必要があると、こう思います。特に、二十一世紀を目指して一流日本人国際人、一流日本人としての山形県人を目指せば、この地域の文化の振興は不可欠の要素であると、こう考えております。気品ある文化の振興こそ二十一世紀を目指しての重要な課題であると、こう認識しているところでございます。 さらにまた、女性の社会参加というふうなことは必ずしも二十一世紀を目指すまでもなく、現時点から極めて重要な課題であるとこう思います。前の質問者の答弁で申し上げましたけれども、現在、女性の社会参加は年々増大してきているとこう思います。働く環境も整備されてきていると、こう思います。さらにまた、一人一人の女性につきましても向学心に燃え社会で活躍しようとする機運が高まってきていると、こう思います。そういう女性の社会進出を大幅に進めていくことが私は本県の政治姿勢としては重要な課題であると、こうとらえているところであります。 また、一つの手法とこうなりましょうか、市町村との連携というふうなことは、地域を発展させていくためには極めて重要な方法であるというふうな認識から、私は県行政を進めるに当たりましてはぜひ市町村との連携を強化してまいりたいと、こう思っております。その強化の方法については、また改めて質問がございますから後ほど御説明申し上げますが、市町村との連携を保つことによって各市町村地域の力を支援していく、発揮させていくというふうな県の役割があるとこういうふうに考えております。 以上のようなことを私は政治姿勢と施政方針として掲げてまいりたいと、こう思っておるところでございます。 次に、地方主権、あるいは地方分権、地方集権というふうなことが盛んに言われてきておりますが、ただいま議員のお説といたしましては、市町村こそ地方主権の根源であるという趣旨のことを申されましたけれども、私も全く同感でございます。市町村が地方主権の根源であるとこうすれば、もちろん県といたしましても自治体でございますから、二次的な自治体といたしまして基本的な自治体とする市町村のその主権を認めまして、県といたしましては市町村に支援体制あるいは応援をしていくというふうなことが法律的にもあるいは理念的にも正しい方法かと、こう思っているところでございます。もちろん、地方主権というふうなことで市町村をとらえましても、現実におきましてその権限と財政能力はどうかというふうなことが直ちに問題になるわけでございますが、これら現実の問題といたしましてはいろいろの方法でこの地方主権を確立していく必要があるだろうと、こう思っております。 全国の知事会におきましても、既にこの地方主権というふうなことをテーマといたしまして研究会を開催するなど、あるいは宣言を行うことなどして運動を展開しているわけでございますが、全国的にこのような機運が高まりつつあると、こう思っております。この地方主権の理念を十二分にわきまえまして、私は県内の四十四市町村、全地域がみずからの地域で開発されることを県としては助長して助成してまいりたいと、こう思っております。 次に、県と市町村との連携についてのお尋ねでございますが、具体的に組織やら、人員やらと、それから県と市町村との取り組みでございますけれども、県といたしましては、現在、市町村担当の組織といたしまして各部局にも事務が散在しておりますけれども、集中的に担当できる室程度のものを考えてまいりたいと、こう思っております。また、それと具体的に市町村と連携を図る支庁並びに各地方事務所についても担当を設けたいと、こう思っております。また、市町村といたしましては随時県の組織を通して、みずからの計画あるいはいろいろの要望等をその場で意見の交換ができる、あるいは施策を練り上げられるというふうなことまでをできるような体制を考えているところでございます。この場におきましては、こういった組織の場におさましては県の行政のみならず、議員の活動あるいは市町村の議員の活動というふうなことで幅広く活動の場としていけばいいのではないかという考えを持っているところでございます。 次に、山形広域五十万都市についての感想を尋ねられましたけれども、お説のように五十万都市につきましてはいろいろの意見が出されておるようでございます。基本的には関係の自治体が十二分に協議して将来の構想を練っていく必要があるだろうと、こう思います。特に、五十万都市というふうに目指したものといたしましては、私なりに考えまするに五十万都市は自立可能な人口規模というふうに聞いております。三十万都市ではどうかとか、あるいは四十万都市ではどうかというふうなことの議論もあるわけですけれども、現実の問題といたしまして、果たして五十万規模になるのかどうかというふうなことも問題があるわけでございますし、さて五十万都市ぐらいになれば、自立能力が出てくる、自立発展の能力が出てくるというふうな全国的な調査の結果やら意見等もございますから、こんなことをも踏まえましてぜひ山形県の関係都市が将来に向けて悠々発展できるような都市形成を助長してまいりたいと、こう思っております。この点につきまして、県といたしましても十二分に関心を持ちまして議論を深めてまいりたいと、こう思っているところでございます。 次に、五番目といたしまして少子化時代における行政の対応はどうかというふうな御質問でございますが、地域の活力や発展を考えますときに人口の減少というのは由々しい事態であると認識しております。適度の人口の増加が地域の発展をもたらすことはこれまでの歴史的な経験であると、こう思っております。また人口の減少は衰微の過程であるというふうなことも歴史的には経験済みであると、こう思います。このようなことを考えますと、行政といたしましては特に働く条件の整備、労働条件の改善、ゆとりある生活の確立、そういった条件の整備に行政としては心がけてまいりたいと、こう思っております。さらに、議員申されましたように、行政的に指導できるべきだとこう言いますのは、ある程度限度がありますので、この辺につきましてはいろいろのキャンペーンを実施することによってその機運を醸成するというふうなことなどが考えられますので、今後は幅広く少子化時代に対応する県の行政を検討してまいりたい、実施してまいりたいというふうに考えておるところでございます。 なお、同様な質問が関係部長にもなされておりますので、後刻、各部長の説明によって、また県といたしましてもこの対策を深めてまいりたいと、こう思っております。以上でございます。 ○議長(土田啓君) 花屋企画調整部長。 ◎企画調整部長(花屋和夫君) 初めに、本県経済と景気動向に関する認識ですが、本県の景気動向を見ますと、住宅建設は持ち家で引き続き増加しております。しかし個人消費につきましては、全国ほどの大幅な減少には至ってはいないものの、かなり低い伸びにとどまっており、景気の先行き不透明感や賃金の伸び悩みから消費態度がさらに慎重になっていくということも考えられます。鉱工業生産は最終需要の伸び悩みから依然停滞しております。在庫調整もさほど進展しておりません。雇用情勢は有効求人倍率が低下しており、労働力需給は緩和傾向にあり、一部業種では雇用調整の動きが見られます。企業倒産につきましては、本県ではこれまで月一けた台の低い水準で推移をしてまいりましたが、二月は十四件と大幅に増加し、倒産原因につきましても販売不振等の不況型倒産が七割を占めております。今後、年度末の資金需要期を迎えて企業倒産がさらに増加することが懸念されます。このように本県経済は引き続き調整過程にあります。また、全国の景況は先日八日に発表になりました日本銀行の企業短観、これを見ましても景気回復判断が次第に後ずれしてきており、本県経済にとっては依然厳しい局面が続いていくというように考えております。 次に、個人消費拡大策についてでございますが、最近の県内個人消費の動向につきましては、大型小売店販売額、乗用車新車新規登録台数等の耐久消費財の動きなどがかなり低い伸びにとどまっております。個人消費が低迷している背景としましては、いわば家庭内でのストック調整が起きていることが一つ、それから消費者の支出態度が慎重になってきていること、それから所定外給与の減少など賃金所得が減少傾向にあること等々が挙げられます。今後の消費動向につきましては、家庭内ストック調整によるマイナスの影響については、次第に回復の方向に向かうことが予想されるほか、民間の調査ではレジャー、娯楽費などの余暇の拡大や利便性を高める商品に対しては消費者の積極的な意欲がうかがわれます反面、消費マインドについては買気回復が実感されるまではなかなか変わらず、また所得につきましても企業業績が回復するまでは高い伸びが期待できないというように考えられ、まだまだ予断を許さない状態が続くというように認識をしております。 いずれにいたしましても県といたしましては、最終需要の回復、個人消費の拡大に資するためにも、公共事業の前倒し発注、商工業金融制度の充実、県の持家住宅建設資金の充実等の景気対策を講ずるほか、情報を収集し引き続き連絡会議を通じて関係部局と連携をして、現在検討が進められております国の新たな景気対策と歩調を合わせながら適切に対応をしてまいりたいというように考えております。 それから最後に、山形ニュータウン開発整備事業の進捗状況等についてでございますが、山形ニュータウン開発整備にかかわる事業計画調査につきましては、今年度地振公団により実施され、その中で土地利用計画、施設整備計画、造成計画等の事業にかかわる根幹的な内容が検討されたところでございます。二月二十六日に最終委員会が終了しまして、現在それを受けまして最終取りまとめがなされているところですが、年度末にはこれらについておおむねの方向づけが示されてくるというように理解をしております。また、ニュータウン内のタウンセンターに立地する商業施設等の可能性について検討するため、御指摘の商圏調査を含むまちづくり検討調査を同様に地域振興整備公団が実施をしておりますが、年度末を目標に取りまとめが行われているところでございます。県としてもその成果の活用を図ってまいりたいというように考えております。 次に、用地の先行取得につきましては、山形市、上山市が中心となって交渉に当たることを前提に、平成五年度から県土地開発公社に委託して実施をすることとし、当初予算案に債務負担行為で百九億一千万円を計上しているところでございます。新年度に入ってから、補償額等を示した上で本格的な用地交渉に当たりたいというように考えております。また、土地利用調整につきましては、農振農用地区域を除外し、市街化区域に編入できるよう東北農政局を初めとする関係機関と現在鋭意調整を行っているところであります。農政局調整につきましては、一応平成六年二月を我々目標といたしております。これらの手続が順調に進んだ場合、早ければ平成五年度末に議会の賛意を得て県、市から公団に対し事業要請を行い、平成六年度中にも事業が認可されることが見込まれます。 一方、地元の状況でございますが、山形市では昨年九月それから上山市では昨年十月にそれぞれ地権者会準備会が結成され、それらを通じて山形市、上山市が中心となって事業に対する理解が得られるよう随時説明をいたしております。既に地質調査、環境現況調査、さらには地上の測量、これは基準点を定めるためのくいを設置する部分の測量でございますが、これにかかわる現地立ち入りの了解を得ているところでございます。今後ともさらに地権者の方々を初めとする地域住民の皆様方の理解と協力が得られるように頑張ってまいりたいと思います。 ○議長(土田啓君) 山口生活福祉部長。 ◎生活福祉部長(山口寿男君) 初めに保育サービス等の課題と対策についてでございますが、子供を取り巻く環境が変化している中で、子供を育てる環境づくりとしまして、保育サービス等の充実を図ることは極めて重要な課題であると認識しておるところでございます。県といたしましては延長保育、乳児保育、一時的保育など保育需要の多様化に対応しました保育サービスの充実につきまして市町村に対し指導するとともに、県の単独事業としましてきめ細かな助成策を講じるなどその積極的な拡大に努めているところでございます。 また、午後十時ごろまでの保育サービスを行います長時間保育サービス事業を実施しますとともに、突発的な残業等にも対応できます体制づくりについても努力をしているところでございます。保育サービスの利用に関します入所基準の緩和、あるいは保育料の課題につさましては、現在、国の保育問題検討会においてさまざまな角度から検討されているところでございまして、その動向を見守ってまいりたいと考えておるところでございます。さらに、保育所につきましては、地域におきます子育て支援センターとしての役割が求められているところでございまして、身近な育児相談の場として、今後積極的に活用されるように取り組んでまいりたいと考えているところであります。また、事業所内の保育所への助成につきましては、財団法人日本児童手当協会における施設整備費などの助成制度もありますので、これらの活用等について商工団体等と連携をとりながら進めてまいりたいと考えております。 なお、老人施設等を含めました複合的な施設の整備につきましては、子供の健全育成、子育て知識の継承などの観点から、今後検討してまいりたいと考えているところでございます。今後とも市町村とも連携をとりながら子供が健やかに産み育てられる環境づくりにつきまして努めてまいりたいと存じます。 次に、乳幼児医療制度の拡充についてでございますが、本県の乳児医療制度は、議員御案内のように、乳児のいる家庭の経済的負担を軽減し医療を受けやすい環境をつくることによりまして、当時高い状況にありました乳児死亡率を低減させるとともに、乳児の健全育成を図ることを目的にしまして昭和四十八年に創設され今日に至っているものでございます。この間、こうした県単独の制度とともに医療保険制度におきましても高額療養費制度の創設等を中心としまして給付の充実が図られてきましたことから、昭和四十八年の制度発足当時に出生一千人当たり十二・五人と極めて高い水準にありました本県の乳児死亡率は、平成三年には四・七人と約三分の一程度に低下をしまして著しい改善が図られてきているところでございます。 なお、この間、御指摘のように出生率の低下や女性の社会進出など児童を取り巻く環境も大きく変化してきておりますので、お尋ねの乳児医療の対象年齢の引き上げあるいは乳幼児の歯科医療のあり方の問題につきましては、健やかに子供を産み育てる環境づくりという観点から幅広く関係者の御意見をうかがいながら総合的に研究をしてまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(土田啓君) 丸子環境保健部長。 ◎環境保健部長(丸子正司君) 日赤病院誘致に係る協議調整の現状についてでございますが、山形ニュータウン開発整備構想における健康福祉コアの中核施設といたしまして、高齢者医療研究センター整備構想を推進いたしておるところでございます。この高齢者医療研究センターの中心となる病院機能の設置運営主体につきましては、高度かつ多様な医療技術基盤と全国的なネットワークを持つ日本赤十字社による設置運営が望ましいとの認識に立って折衝を進めておりますが、日本赤十字社からは病院整備の必要性、整備すべき機能等基本的な事項について御理解をいただいているところでございます。今後は、診療内容、病床規模など具体的な内容について調整を行いますとともに、県内外の医療関係者、学識経験者など幅広い方々から御意見をうかがいながら、基本構想の策定を進めてまいりたいと存じております。 ○議長(土田啓君) 酒井商工労働開発部長。 ◎商工労働開発部長(酒井雅君) 勤労者総合福祉センターの建設に向けての取り組みでございますが、勤労者総合福祉センターB型につきましては、雇用促進事業団が都市における労働者の福祉の充実と勤労意欲の向上を図ることを目的といたしまして、全国の、主要都市に設置する総合的な施設でございます。施設の内容は、職業についての相談・情報提供の機能、それから健康・体力増進機能、文化交流機能など教養・文化・研修・スポーツ等の活動の場を提供するものでございます。この勤労者総合福祉センターB型の設置につきましては、平成四年七月に山形市から要望が出されておりまして、この設置場所、あるいは施設構想等につきまして、山形市と県による共同の協議会を設置をいたしまして、その内容等について検討を進めているところでございます。労働省等につきましても内協議を進めているという段階でございます。現時点では、山形ニュータウン内に設置をしたいということで候補地を予定しておるわけでございますが、平成五年度中に設置の決定をみたいということで労働省の内諾を得ている段階でございます。 今後は山形ニュータウンの進捗状況を勘案しながら、労働省と協議しながら、建設を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(土田啓君) 工藤農林水産部長。 ◎農林水産部長(工藤正幸君) 昨年産のラ・フランスの一部については収穫後貯蔵している過程におきまして果実の内部が軟化し、変色するものが見られました。これらは貯蔵過程で発現したことから選果の段階ですべて取り除かれ、市場には出回らなかったと聞いております。その原因については、園芸試験場で調査をしてみましても、病原菌は検出されなかったため、現時点では病害とは断定しがたく、むしろ栽培過程での施肥の方法であるとか、貯蔵方法と関連する生理的な障害ではないかと推察しているところであります。いずれにいたしましても、ラ・フランスは本県を特色づける果実でありますことから、早急に原因を明らかにして適切な対応をしてまいりたいと考えております。 ○議長(土田啓君) 宮下土木部長。 ◎土木部長(宮下武君) 山形駅周辺の都市拠点総合整備事業についてでございますが、まさしく議員御指摘のとおり山形市が事業主体となる駅西土地区画整理事業が事業全体の成否のかぎを握る重要な事業であると認識いたしております。地区内の地権者などの意向と協力関係についてでございますが、昨年十月の基本計画の建設省承認後これまで、山形市が主体となって地元説明会や個別相談会を開催いたしております。その結果、事業に対しておおむね御協力いただける感触であり、中には事業の進捗に大きな期待を寄せておいでの住民の方もいると聞いておりますが、全員の御理解を得るまでには至っていない状況でございます。県といたしましても、今後できるだけ多くの住民のより一層の御理解と御協力を得る努力をするよう山形市を指導してまいります。 次に、地区内の最大地権者であります東ソー株式会社につきましては、従来から県・市と事務レベルで参加の方向で検討してまいりましたが、去る二月九日、東ソー株式会社から山形市及び山形県に対しての正式の事業参加の表明を受けたところであります。今後につきましても、工場の移転や跡地利用計画などの検討課題がまだ残されておりますので、県といたしましては、三者による協議を随時実施いたしまして、事業がスムーズに推進されるよう対応してまいりたいと考えております。 ○議長(土田啓君) 二十九番三井啓光君。 ◆29番(三井啓光君) 知事にちょっと、再度お尋ねしますけれども、今の御答弁で県と市町村との連絡室あるいは対策室なるようなもの、室を設けるとこういうふうなことをおっしゃっておられましたけれども、これについては例えば今ある総務部の地方課とかあるいは各地域にあります地方事務所とのこういった、こうしたものとの関係などはこれはどうなるのか、いわゆる連絡室等の関係ですね。 それからもう一点は、乳幼児の医療費の関係ですが、これは一挙に今三歳児までというわけにはいかないまでも、まずこの間の減額補正の例を見ても一億、二億の補正があるわけですから、減額のね、こうしたものをまず今ゼロ歳ですから、これを一歳、二歳児ぐらいまでに段階的に整備をしていくようなそういうふうなひとつ施策を講ぜられると、これは高橋新知事の、これは御婦人にかかわることですから、大変なまたこれがロコミで浸透していきますよ。それから福祉に力を入れている知事だということで大変な評価もされると思いますので、前向きでひとつ全力でこの面についても先ほどの部長のような、幅広く研究してまいりますなんていうような御答弁じゃなく、知事がひとつ力を入れていただいて、部長もひとつ専門家ですから協議をしていただいて、その点に力点を置いた施策を実施してもらいたい、これをひとつ要望して終わりますけれども、要望と言ったんじゃお答えがなくなっちゃうから、ひとつ質問ですからお答えをお願いしたいと思います。簡単でいいです、時間もありませんから。 ○議長(土田啓君) 高橋知事。 ◎知事(高橋和雄君) 第一点の市町村との連携の組織についてでございますが、現在考えておりますのは、企画調整部長の中に企画担当、計画担当的なものを市町村との関係で組織を設けたいというふうに考えております。したがいまして、これらの窓口につきましても各地方事務所、あるいは庄内支庁にも担当を置くような考えで今検討しているところでございます。 次に、二番日の乳幼児の関係につきましては、前向きで対応するように…。 ○議長(土田啓君) 以上をもって本日の日程は終わりました。 明日定刻本会議を開き、議案に対する質疑と県政一般に関する質問をあわせ行います。 本日はこれをもって散会いたします。      午後二時五十一分 散会...